40代薬剤師の転職を成功させる秘訣|年収アップにつながる転職の成功術を解説!
40代は転職を考える最後のタイミングと考え、今後の働き方やキャリアの見直しをしている薬剤師さんも多いのではないでしょうか。
しかし「国家資格」という転職に強い武器があるものの、「年齢的に転職できるのだろうか?」「キャリアがあり過ぎて転職先が見つからないかも」と不安を抱えている方もいるでしょう。
薬剤師の転職といっても、20代・30代・40代で、転職事情は大きく変わることを理解しておいてください。
今回は、40代薬剤師さんが転職を成功させる秘訣や、おすすめしたい転職先についてご紹介しています。
これまでのキャリアや経験を最大限に活かして転職できるよう、ぜひ最後までご覧ください。
40代薬剤師でも転職は十分に可能!
結論からいうと、薬剤師は何歳になっても転職が可能な職業です。
しかし厚生労働省の調査によると、一人当たりの処方箋枚数は年々減少傾向にあるため、誰もが条件の良い求人に出会えるとは限りません。
年度 | 薬局薬剤師数 | 処方箋枚数(万枚/年) | 薬剤師一人当たり処方箋枚数(枚/年) |
---|---|---|---|
2012年度 | 153,012人 | 78,986 | 5,162.1 |
2014年度 | 157,105人 | 80,831 | 5,145.0 |
2016年度 | 166,670人 | 82,999 | 4,979.8 |
2018年度 | 180,415人 | 84,361 | 4,675.9 |
また一般的に、転職市場では若いほど有利だと言われています。
これは薬剤師の転職市場にも同じことが言えるので、自分の強みや経験を活かして転職を有利に進めることが大切です。
引用:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」「調剤医療費(電算処理分)の動向」「衛生行政報告例」より編集部作成
年収アップ・キャリアアップにつなげるのが前提!
40代薬剤師の転職は、年収アップやキャリアアップなど、ステップアップが前提の転職が一般的です。
未経験からのチャレンジや、経験を積むための転職には向いていないことを理解しておきましょう。
「経験が少ない」「研修が充実した企業で働きたい」というのは20代〜30代前半までで、未経験の採用枠に40代が採用されることはほぼありません。
つまり40代で転職する場合は、薬剤師として築いてきた経験が必要不可欠になる訳です。
薬剤師としての経験に加え、管理職の経験もあれば、管理職候補として採用される可能性も高まります。
その場合は「年齢」よりも「経験」が重視されるため、40代であっても年齢を気にせず応募することができるでしょう。
40代薬剤師の転職を成功させる秘訣
40代薬剤師でも転職はできますが、転職を成功させられるかは別問題です。
アピールするポイントや応募先を間違うと、不採用になってしまったり、理想の職場で働けなくなってしまったりと、転職に失敗することもあるでしょう。
本章では、40代薬剤師が転職を成功させる4つの秘訣をご紹介したいと思います。
- 実績を棚卸ししてスキル・経歴をアピールする
- 管理職ポジションに転職する
- 薬剤師として独立する
- 薬剤師転職に特化している転職エージェントを活用する
実績を棚卸ししてスキル・経歴をアピールする
転職をする上で1番大切なことは、人と違った自分の「強み」や「経験」を把握してアピールすることです。
例えば、調剤薬局への転職では、調剤経験が必須条件です。
これまでドラッグストアや調剤薬局などで調剤をしていた実績があれば、「即戦力」としてスムーズに転職を成功させられるでしょう。
さらに年収や待遇の交渉も有利に進み、良い条件で転職を成功させられる可能性も高まります。
管理職ポジションに転職する
薬剤師としての経験が豊富な上に、管理職としての経験があれば、はじめから「管理職ポジション」に絞って求人を探すのもおすすめです。
毎年、若手の薬剤師をたくさん採用する大手企業では、若手の教育ができる人材確保を大きな課題としています。
若手の指導経験やマネジメント経験をアピールすることで、「自社に貢献できる人材」として引く手あまたな薬剤師になれるでしょう。
薬剤師として独立する
40代薬剤師の強みは、豊富な知識と経験です。
「職場で聞かれてたことは何でも即答できる!」、これは長年働き続けないと得られることができないベテランだけの特権です。
このようなベテラン薬剤師の場合、企業に属せず「独立する」という道もあり、社長や役員として活躍している40代薬剤師も少なくありません。
独立するには、薬局を売却したいオーナーを紹介してもらえる「M&A仲介会社からの紹介」や、独立支援やフランチャイズ制度がある会社と協力して開業する「新規開局」のケースがあります。
薬剤師の独立をサポートする会社も数多くありますので、資金やリスクなどを相談してみるといいでしょう。
薬剤師転職に特化している転職エージェントを活用する
「求人票をみているがパッとしない」
「年収アップやキャリアアップにつながりそうな職場がない」
このような悩みを抱えている方は、薬剤師の転職に特化した転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントを利用する最大のメリットは、求人サイトや企業の採用情報に掲載されていない、「非公開求人」に出会えること。
好条件だったり、管理職の募集だったり、公にできない人事を転職エージェント経由で募集するケースが多いんです。
また転職をサポートしてくれるキャリアアドバイザーは薬剤師の転職事情に詳しく、あなたのキャリアや経験を一番高く採用してくれる企業を知っています。
募集背景や職場の人間関係、キャリアアップの基準などにも長けているため、一人で転職活動をするよりも有意義な転職が叶うでしょう。
40代薬剤師におすすめの転職先
次に、40代の薬剤師が注目したい、おすすめの転職先について解説したいと思います。
薬剤師が転職できるのは、ドラッグストアや調剤薬局だけではありません!
あなたのスキルや経験を活かせる職場は、次の3つです。
- 病院勤務
- 臨床開発モニター(CRA)
- MR(医薬情報担当者)
病院勤務
薬剤師としてもう1段階スキルアップしたいという方は、病院への転職がおすすめです。
とくに大学病院や総合病院、急性期病院は、知識を深める転職先として、ベテランの薬剤師から高い人気を誇っています。
そのためライバルも多く、特出したスキルや経験がないと、採用が見送られてしまうケースも懸念しなければなりません。
また夜勤や当直があり若手を優先する病院も多いので、人気の高い病院への応募は、しっかりと準備を整えてから挑戦する必要があります。
臨床開発モニター(CRA)
臨床開発モニターは、「スキルアップ」と「キャリアチェンジ」が同時に実現できる職場として、薬剤師に人気の転職先となっています。
薬の臨床試験である治験を支える臨床開発モニターとして、新薬開発の第一線で活躍することが可能です。
臨床開発モニターになるには、医師と対面で会話ができる知識や、データを正確に収集・管理する能力、スケジュールの管理能力などが求められ、薬剤師の資格が必須というわけではありません。
しかし看護師や臨床検査技師らがライバルになるので、薬剤師ならではの強みを出して選考を突破する必要があります。
臨床開発モニターの平均年収は20代後半で500万円前後、30代後半で700万円前後、40代以上になると800万円前後と、年齢とともに高くなる傾向です。
薬剤師のように週2〜3回、1日5時間勤務など、パートや派遣で働くことはむずかしいため、40代以降もフルタイムで働く意思がある薬剤師におすすめできます。
参考:製薬業界の転職支援Answers 「CRA(臨床開発モニター)の年収」
MR(医薬情報担当者)
MRは製薬会社などに所属し、医師や歯科医師、薬剤師などに自社の医薬品を販売するのが主な仕事です。
提供する医薬品の効き目や効果的な使用法、副作用などの情報を医療現場から収集し、開発担当者にフィードバックするもの業務の一環です。
MRの年収の高さは営業系職種の中でもトップクラスで、dodaの調べによると平均年収は732.6万円となっています。
100万円を超えるボーナスが年に2回も支給されるため、豊かな生活を送ることができるでしょう。
薬剤師からMRへ転職した場合、コミュニケーション力が向上したり、製品開発やマーケティングの経験ができたりと、幅広いキャリアパスに繋がる転職が実現できます。
ただし企業によっては転勤があるため、家族と相談して決めるのがおすすめです。
40代薬剤師が転職を決意する主な理由
あなたが転職すべきか悩んでいるとき、周りはどんな理由で転職を決意するのか気になりますよね。
とくに40代ともなれば、「これが最後の転職かもしれない」と考え、より慎重になる人は多いでしょう。
周りの薬剤師の転職理由を知ることで、あなたが転職を実行できるきっかけになるかもしれません。
収入・待遇面に不満を感じている
今の職場でこれ以上年収が上がらないと感じたとき、転職を考えるきっかけになる人が多いようです。
同窓会などで薬剤師の友人と集まったとき、
「MRに転職して年収1,000万稼いでる」
「管理職になって年収が200万上がった!」
など、同じ資格を持った友人が自分より高年収だと聞くと、自分ももっと稼ぎたいと考えるのが一般的でしょう。
年収アップを実現するには「転職」が一番手っ取り早い方法です。
「自分の年収が適正なのか?」と不安を感じたら、求人情報の給与欄をチェックしたり、転職エージェントに相談してみたりして、自身の価値を把握することをおすすめします。
業務が単調でやりがいを見いだせない
毎日同じような仕事をしていても、キャリアアップやスキルアップで自己成長を感じることができれば、働く喜びを感じることができます。
しかし業務自体が単調な場合、やりがいや達成感を感じることはむずかしいでしょう。
いくら給料が安定していても自己成長が感じられないのなら、働く意味がありません。
薬剤師でなくても、働きながら日々成長したいと考えるのが当然ですので、やりがいを見出せない職場は早めに見切りをつけた方が良いでしょう。
不規則な勤務時間で身体的に厳しい
夜勤や当直があるような病院薬剤師の場合、40代に入ると体が辛いと感じることが多くなります。
20代、30代前半まではこなせていた業務が、年齢が上がるとともに疲れが取れづらくなり、仕事に支障をきたしてしまうこともあるでしょう。
仕事で体調を崩してしまっては、元も子もありません。
慢性的な腰痛や肩こりなどの体調不良、不規則な生活による睡眠障害など、身体的に働き続けることが厳しいと感じたら早めに転職活動を開始しましょう。
40代薬剤師の転職は慎重におこなおう!
40代薬剤師の転職事情について、「40代でも転職は可能!」ということをお伝えしました。
違う業種にチャレンジしたり、管理職ポジションへのステップアップを狙ったり、独立して経営者になるのも経験豊富な40代薬剤師だからできることです。
しかし薬剤師の転職市場でも若手が有利といわれているので、自分の強みやスキルを把握し、若手にはない「実績」や「経験値」で差をつける必要があります。
40代の薬剤師が目指すのは、「即戦力」を活かして転職を成功させることです。
本記事でご紹介した転職先を参考に、あなたのキャリアや実績が発揮できる職場を探してみましょう。
希望に合う求人が見つからないときは、「非公開求人」を保有する薬剤師専門の転職エージェントが役立ちます。