高卒で公務員になるのは難しい?目指せる職種や試験の倍率・勉強方法を徹底解説
安定というイメージが強い公務員。
就活をしている人の中には、一度は目指そうとしたことがある人もいるのではないでしょうか?
しかし、高卒の人からすれば、
「高卒でも公務員になれるのか?」
「なれるとしたらどの種類の公務員になれるのか」
「公務員になるにはどの試験を受ける必要があるのか」
上記のように、様々な疑問を持つと思います。
そこでこの記事では、高卒から公務員になるためのステップや、公務員になるメリット・デメリットなどを紹介。
公務員を目指している高卒の方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。
高卒が就ける公務員は「国家公務員」と「地方公務員」の2種類
公務員は学歴に関係なく、公務員試験さえ合格してしまえば、公務員になれます。
もちろん学歴によって、「大卒程度試験」「高卒程度試験」の2種類があるものの、あくまで学力の目安を図るための差別化です。
そのため、公務員を目指すうえで学歴はほとんど関係ないので安心してください。
また、公務員には「国家公務員」「地方公務員」の2種類があり、それぞれで業務内容が異なります。
下記の項目でそれぞれの仕事内容を紹介していきます。
国家公務員とは国の業務を行う官僚のこと
国家公務員とは、総務省や厚生労働省などに勤めている人を指します。
いわゆる官僚と言われている人ですね。
国に関わる仕事をするわけなので、国家公務員になるにはかなりの勉強をして、高い水準の学力が必要になってきます。
しかし、国家公務員になるための試験は複数あります。
- 国家公務員総合職試験
- 国家公務員一般職試験(本省採用等)
- 国家公務員一般職試験(大卒程度)
- 国家公務員一般職試験(高卒程度)
国家公務員総合職試験に関しては、有名大学出身のエリートばかりなので、高卒から目指すのはほとんど不可能に近いかもしれません。
目指すべきは、国家公務員一般職(高卒程度)。
この試験でも幅広い教養と、一定水準以上の学力が必用になるため、十分に試験勉強をして行かなければなりません。
地方公務員は市役所に勤務している人
地方公務員とは、地方自治体の市役所などに勤務し、役所業務をしている人のことを指します。
公務員という職業をイメージした時に、真っ先に思い浮かぶのが、地方公務員なのではないでしょうか?
地方公務員は、働き方が厳重に管理されており、残業なども少ないため仕事とプライベートを両立させたい人にはオススメです。
また、地方公務員になるための試験にも様々な種類があります。
- 上級(大学卒程度)
- 中級(短大卒程度)
- 初級(高校卒程度)
冒頭でも伝えましたが、試験が分かれているのは、あくまで学力を計る目安なので高卒でも大学卒業程度の試験を受けることが可能です。
しかし、大学卒業程度(上級)の試験は同じ選考を受けている人の学力レベルが高いため、合格するのは至難の業です。
そのため、初球の高卒程度試験を目指すのが、もっとも合格する確率の高い試験と言えるでしょう。
高卒から公務員を目指すなら「地方公務員」がおすすめ
国家公務員と地方公務員を紹介しましたが、高卒から公務員を目指そうと思っている人には、地方公務員がおすすめです。
地方公務員をおすすめする理由は、試験難易度が低く、合格しやすいためです。
しかし、地方公務員と一括りにしても、様々な種類があります。
- 一般行政職
- 公安職
- 技術職
それぞれで仕事内容が全く異なるので、自分にはどの職種が合っているか確認していきましょう。
一般行政職
一般行政職は基本的には事務関連の業務をこなす職種で、様々な場所で事務として働きます。
市役所に勤務している公務員は、この一般行政職が多いです
市役所の事務職以外にも、「行政事務」「学校事務」「警察事務」などがあり、配属先に応じて職種が分けられています。
行政事務は基本的な地方自治体が運営している事務所などで事務を行う仕事で、市役所で事務を行っている人たちもこの部類にあたります。
また学校事務は公立の学校で事務を行う人で、警察事務は文字通り警察で事務を行います。
配属先に関しては、希望を伝えることができるものの、棋王が全て通るわけではないためあらかじめ理解しておきましょう。
公安職
公安職は警察と消防に分かれており、地方で働く警察官と消防官は、ほとんど地方公安職に含まれます。
事務関連の公務員職とは異なり、体力面でも一定以上のスキルが求められるため、採用家庭で実技試験があります。
自治体によって異なるものの、柔道や剣道、体力テストがあるケースがほとんど。
ただ学力があるだけでは、公安職の公務員になれないので注意しておきましょう
また、地方の警察は本庁などで働く国家公務員のキャリア組とは別枠の採用です。
そのため、地方で働く警察官などは基本的に地方公務員として扱いになります。
技術職
公務員の技術職は一般的な事務とは違い、特別な技術をもっており、その特殊な技術を使って仕事をしていきます。
「電気」「機械」「土木」「化学」などの特別な技術を必要とされ、その技術に応じた箇所に配置されるのが特徴です。
そのため、試験内容も幅広い教養に加えて、専門的な知識も問われます。
ただ、試験勉強をするだけでは技術職の試験に合格できる見込みはないでしょう。
このように公務員は事務やエリート職だけでなく、技術を活かして働く人もいるので、視野を広げてどの職種が自分に合っているのかを考えてみましょう。
高卒者が公務員になるための道筋
先述した通り、高卒から公務員を目指すには、高卒程度試験に合格しなければなりません。
公務員の試験内容は、公務員の種類や地方自治体によってことなるものの、基本的には一次試験・二次試験があります。
それぞれの試験がどのような内容なのか説明していきます。
一次試験(一般教養・作文)
公務員の一次試験では、基本的に基礎学力や一般教養の筆記テストが行われます。
専門的な知識というよりも、中学~高校までの様々な教科から出題されるため、幅広い範囲の知識が必要です。
そのため、試験勉強の際には、教科に捉われず幅広い範囲の学習をしておきましょう。
また、一般教養の他にも、小論文・作文の試験もあるためこの対策も必須です。
テーマは試験の際に出題されるものの、過去問を見ていけば、どのようなテーマが出題されるかが分かるのでそれなりの対策ができます。
学歴に関係なく筆記試験に合格すれば、二次試験に進めるので、十分な試験勉強をしておきましょう。
二次試験(面接)
一次試験に見事合格したら、二次試験では面接が行われます。
集団面接なのか、個人面接なのかは自治体によって異なるため、あらかじめ調べておきましょう。
地方公務員に関しては、学力よりも人柄や人間性を重視されている場合が多いです。
そのため、各自治体が求める人材像をしっかりと押さえておくことが、合格を勝ち取るためのアプローチになるでしょう。
また、公安系の公務員であれば実技試験、技術職の公務員であれば専門的な知識が必要になります。
自分が受ける公務員がどのようなスキル・知識が必要になるのかあらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
高卒者が公務員試験に合格する方法
公務員は他の職業と比べてもかなり人気が高いので、倍率がかなり高くなっています。
一次試験で全体のおよそ70%が不採用になってしまうので、公務員試験はかなり難易度が高いです。
そのため、中途半端な気持ちで公務員を目指しても、合格する見込みはほぼありません。
公務員を目指すのであれば、強い信念をもって試験勉強に取り組むようにしましょう。
公務員試験への勉強には、参考書を買って独学で勉強する方法と、公務員試験対策を行っている予備校に通って勉強をする2つのパターンがあります。
もちろん独学で自分のペースで勉強するのもありですが、合格率をあげた場合は、予備校に通って試験勉強をした方が良いでしょう。
予備校に通って勉強する
独学で勉強をすると、自分のペースで勉強をして行くことになるため、勉強へのモチベーションを保つのがかなり難しいです。
たとえ熱意がある人でも、長期間にわたっての勉強は意欲を失ってしまいがちです。
対して、予備校に通って勉強をする場合は、勉強をする環境に身を置けるためモチベーションを維持しやすいです。
加えて、参考書だけでは知りえなかった試験対策や情報を知れるため、効果的な試験対策ができます。
独学で勉強した場合と、予備校に通って勉強した場合では、合格率が大きく違うので予備校に入って勉強した方が良いでしょう。
しかし、予備校に通うにはそれなりの学費が必要になるため、金銭面をどうするかが大きなポイントです。
自分に置かれている現状を一度考えてみてから、どちらの方法で勉強をして行くのか考えてみましょう。
公務員の種類によって年齢制限がある
試験勉強を始める前に理解しておかなければならないのが、公務員の種類によって年齢制限があるということです。
高校在学中・高校を卒業して間もない人は心配する必要ありませんが、高校を卒業して数年経過している人は注意。
年齢制限に引っかかってしまうと、公務員の試験自体受けられなくなります。
基本的には、下記の通りです。
- 国家公務員は高校を卒業してから2年以内
- 地方公務員は18歳~21歳
ただし、自治体や公務員の職種によって異なってくるため、あらかじめ確認しておきましょう。
高卒から公務員になるメリット・デメリット
それではここから、高卒から公務員を目指すメリット・デメリットを紹介していきます。
メリットの側面だけを見てしまうと、公務員になってから後悔してしまうので、デメリットも加味してから目指すようにしましょう。
メリット
まずはメリットから紹介していきます。
学歴によって差が生まれない
国家公務員の総合職は別として、同じ種類の公務員になってしまえば、そこからは大卒・高卒によって差が広がることはありません。
待遇面・収入面どちらで見ても、働いていくうえで差が広がらないのは、高卒の人からすれば大きなメリットと言えるでしょう。
国家公務員の総合職に関しては、一般職と比べて破格の待遇で働けるため収入の差がかなり大きいです。
しかし、国家公務員総合職に高卒はほとんどおらず、有名大学のエリートばかりなので高卒の人にはあまり関係ないかもしれません。
「高卒として就職」「大学に進学」どちらが良いのか!?それぞれのメリット・デメリットを紹介
いち早く社会人のスタートが切れる
大学に進学する場合は、私立大学で1000万円程度、国立大学で700万円程度の多額の学費がかかります。
加えて、一人暮らしをして行くとなるとさらなる出費が増えるでしょう。
学費や生活費の全てを両親が負担してくれるのであれば話は別ですが、奨学金などを借りて通うとなると将来的に返済する額が大きくなります。
しかし、高卒から公務員として働くことができれば、学費がかからずいち早く社会人としてのスタートが切れます。
大卒・高卒で公務員としての差はないため、高校を出てすぐに公務員になったほうが、圧倒的に有利と言えるでしょう。
大卒に比べて4年も早く社会人スタートが切れるのは、大きなアドバンテージ。
就職・進学どちらを選択するにしても、自分が後悔しない方を選択するようにしましょう。
デメリット
ここからはデメリットを紹介していきます。
一定以上の役職に就けない場合がある
高卒と大卒で昇進や給料に大きな差はないものの、国家公務員の役職になると、話は別です。
国家公務員の課長や部長クラスは、ほぼ大卒で有名大学を卒業しているエリートばかりです。
そのため、高卒として国家公務員になって、勤続年数を重ねても役職に就けないケースがあります。
しかし、高卒でも役職に就いている人もいるため、自治体や職種によっては昇進できるケースもあります。
限られた環境で仕事をしなければならない
大学に進学すれば、ゼミやサークルの仲間ができて、友達も多くなるでしょう。
対して、進学しないで公務員になってしまうと、限られたコミュニティーの中で生活していかなければなりません。
また、公務員は職場だけで仕事が完結するため、かなり限られた環境で仕事をして行くことになります。
そのため、かなり刺激が少なく、平坦な日々を送ってしまうことになるかもしれません。
一度公務員になってしまえば、退職して違う業界で働くのも中々できなくなるでしょう。
公務員の道を選択して、後々後悔しないためにも、自分の進路について考えてみるのも大切です。
高卒でも公務員になれる!計画的に勉強を進めましょう
ここまで読んでいかがでしたか?
高卒でも公務員になることができ、学歴でほとんど差が広がらないということが分かったと思います。
公務員は雇用が守られており、収入面・仕事面どちらも安定しているため、安定を求めている人からすれば天職。
しかし、公務員試験は幅広い教養や知識が必要になるので、しっかりとした計画を立ててから試験勉強に入るようにしましょう。
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高卒で目指す公務員に関する質問
ここでは、高卒出身者が公務員を目指す前に知っておきたいことや、解決しておきたい疑問を解説していきます。
Q.高卒の方が公務員になるためには?
高卒から公務員を目指す場合、高卒程度試験に合格しなければなりません。
試験内容は、自治体や志望する職種によって異なりますが、試験形式は全国ともに同じです。
1次試験では、基礎学力や一般教養を図る筆記試験が実施され、2次試験では面接が行われます。
なお、面接の形式は自治体によって異なります。
詳しくは、「高卒者が公務員になるための道筋」にて解説しています。
Q.高卒で公務員になった場合の初任給は?
高卒出身者が公務員になった場合の初任給は、約15万円前後といわれており、大卒で公務員になった方の初任給に比べると3~5万円前後の差があります。
Q.高卒程度試験の受験資格は?
高卒程度試験を受けるためには、自治体が設けた年齢要件を満たしている必要があります。
高卒程度の年齢上限は、21歳前後と比較的若い年齢に設定されているケースが多いですが、中には、21歳以上にしている自治体もあります。
Q.高卒公務員の倍率はどれくらい?
人事院が公表した「2021年度国家公務員採用試験実施状況」に記載されている国家公務員試験の高卒程度の倍率は、4.8(申込者数38,939人/最終合格者8,165人)となっています。
なお、前年度の国家公務員試験の高卒程度の倍率は、4.9となっており、徐々に申込者数が減少している状況です。
Q.高卒で公務員になる前にやっておくことは?
公務員を目指す理由や動機を明確にしておくことです。
「公務員=安定している仕事」という理由から、就職しても長続きしまないばかりか、後々後悔する可能性が高いです。
周囲の人間から勧められたからなどのあいまいな理由で公務員を目指すのではなく、「なぜ、公務員になろうと思ったのか」や「公務員じゃなきゃいけない理由」を明確にしておけば、1次試験突破後の面接でもスムーズな回答ができます。
Q.公務員に向いている人とは?
以下のような、考えやビジョンを持っている方に公務員は向いています。
- 1つの仕事を長く続けたい方
- 国や地域に貢献したい方
- 安定した給料がほしい方
上記3つのいずれかが該当する方に、公務員は向いている仕事といえますが、いずれも「公務員を目指す動機・理由」をはっきりさせておく必要があります。
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