看護師から他職種への転職!おすすめ・資格を活かせる仕事と成功する秘訣

一昔前まで、「国家資格」が必要な看護師は、一生の仕事として働き続けるイメージがありました。
しかし、医療現場への負担拡大に伴い、看護師からまったく違う職種への転職を考える方が増えているようです。
異業種へ転職する場合、どの様な転職先があるのかよくわかりませんよね。
この記事では、看護師におすすめの医療業界の転職先と異業種の転職先をそれぞれ紹介していきます。
- 看護師を退職したい理由
- 看護師の資格が活かせるおすすめの職業
- 看護師が未経験からチャレンジできる仕事
看護師を退職する理由
看護師から他職種への転職を検討するとき、「実際に転職した人はどんな理由だったのか?」と気になる方も多いと思います。
ここでは、看護師を退職する決め手となった代表的な5つの退職理由についてご紹介します。
- 身体的な負担が大きい
- 人間関係の悩み
- 他にやりたい仕事がある
- 不規則な勤務形態で予定を立てづらい
- 仕事量に対して給料が低い
身体的な負担が大きい
看護師は人命を担う責任の重さから、常に大きなプレッシャーを抱えています。
仕事をする上では、どんな職業でも一定の緊張感はありますが、医療ミスや事故などの過度なストレスは医療業界特有といえます。
とくに仕事に慣れていない若手の看護師さんは、業務に慣れるまでは気が抜けない状態にさらされ続けるでしょう。
人間関係の悩み
看護師に限らず、どの職種でも多い退職理由の代表が「人間関係の悩み」です。
とくに女性が多い業界にありがちで、病院によっては派閥があったり、「お局」と呼ばれるベテラン看護師がいたりして、看護師同士のトラブルなども少なくありません。
看護の仕事は、報告や連絡などのチームワークが大切で、お互いに協力しあってミスを防ぐことが重要です。
そのため人間関係には常に注意を払わなければならず、大きなストレスを抱えてしまうことにつながります。
また人手不足の医療現場が多いこともあり、激務ゆえに雰囲気が悪い職場も増えつつあるようです。
他にやりたい仕事がある
後ろ向きな退職理由が多いなか、「看護師以外にやりたい仕事がある」という前向きな意見もありました。
中には「復職すること」を前提に、他職種へ転職する人も少なくないようです。
看護師を一生の仕事と決め、「一定期間だけ違う仕事をしたい」「看護師以外の仕事を経験してみたい」と考えるのは自然なことでしょう。
他の職種の場合、一度離れてしまうと復職がむずかしい傾向がありますが、看護師は「国家資格」という武器が有利になります。
また他職種を経験することで知識や視野が広がり、看護師として大きく躍進し復帰することもできるでしょう。
不規則な勤務形態で予定を立てづらい
看護師は日勤・夜勤・早出・遅出など、不規則な勤務形態であることが多い職業です。
また残業があったり、業務外の看護研究があったりと、スケジュールの見通しが立てづらい側面もあります。
20代であれば平気だった徹夜も、30代、40代となると疲れがたまりやすくなり、業務に支障を及ぼすことも懸念されるでしょう。
将来的に結婚や出産、育児などを考えている場合、うまく両立できるか不安を抱えている人も少なくありません。
生活のリズムが崩れてしまうことで、睡眠障害や精神不安定などが生じ、さらなる不調を招く結果にもつながります。
仕事量に対して給料が低い
「給料が見合っていない」「今の収入に満足できない」という声も多くありました。
世間的に看護師は高収入のイメージが強い職業ですが、夜勤や精神的なプレッシャーを考えると、もっと給料を上げてほしいと考える看護師さんの方が多いようです。
また給料が足りないと感じることで、仕事に対するモチベーションが下がり、結果的に「看護師を辞めたい」という悪循環を招いてしまいます。
さらに一般企業だと取りやすい「有給休暇」も、人手不足の医療現場で働いている看護師さんは「十分な休みが取れない」「取りづらい」といった状況が蔓延しているのも、退職したい原因の1つです。
【看護師資格・経験が活かせる!】看護師におすすめの職種
看護師さんたちの退職理由が分かったところで、看護師の資格や経験を活かして働ける「おすすめの職種」をご紹介します。
また職業ごとに、看護師の仕事と比較したメリットも解説していますので、参考にしてみてください。
保育園の看護師
保育園の子どもたちの病気やケガに対応したり、感染病などを未然に防ぐのが、保育園の看護師のおもな仕事です。
保育園の看護師として働くメリット
- 土日祝日が休みのケースが多い
- 子どもたちとコミュニケーションを取りながら楽しく働ける
常に病人や怪我人に対応していた看護師と異なり、どちらかといえば「予防」「対策」といった仕事がメインになります。
また重症の患者を対応することはなく、転んでできた擦り傷の手当てをしたり、ぶつけた箇所を冷やしたりといった簡易的な手当てがほとんど。
子どもたちの成長を楽しみながら働けるので、子ども好きな方におすすめできます。
しかし現状よりも給料は下がってしまう可能性が高いので、納得した上で転職を検討しましょう。
イベントナース
スポーツイベントやお祭り、団体旅行などの宿泊ツアーに同行して、突発的な病気やケガの介護をするのがイベントナースの仕事です。
イベントナースのメリット
- 土日祝日が休み
- 自分の都合に合わせて働ける
- 精神的なストレスが少ない
修学旅行や林間学校に付き添うこともあれば、野外ステージや音楽イベントなどで必要とされるケースもあります。
臨時の救護所や医務室などで待機し、体調不良やケガ人に対して応急処置をしたり、病院に行くべきかアドバイスをしたり、急を要する場合は救急車を要請したりと、仕事内容は多岐にわたります。
イベントの場合は1〜2日、旅行は2〜3日などの場合が多く、単発での仕事になることがほとんどです。
医療機器メーカー(フィールドナース)
フィールドナースとは、医療機器メーカーなどにおいて自社製品のプロモーション活動を行うのが仕事です。
医療機器メーカーで働くメリット
- 土日祝日が休み
- 看護師よりも高収入である可能性が高い
営業スタッフに同行して病院やクリニックを訪問し、医師に対して製品をプレゼンテーションしたり、医療機器のデモンストレーションをしたりしながら製品の販売促進を行います。
フィールドナースの年収は600万〜900万円といわれており、成果をだせれば年収1,000万円も夢ではありません。
また一般企業の会社員として、完全週休二日制で安定した生活を送ることができます。
治験を実施する医療機関の支援(CRC)
CRC(治験コーディネーター)とは、治験に関わる医療機関や被験者、製薬会社との調整をはじめ、治験業務全般をサポートするのが主な仕事です。
治験コーディネーターのメリット
- 土日祝日が休み
- 看護師のスキルや経験が活かせる
看護資格を存分に活かしながら、「新薬開発」という形で医療に貢献することができます。
治験の対象となるさまざま疾患の知識を身につけながら、薬剤の知識を学んだり、被験者の相談に乗ったりとやりがいも大きいでしょう。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションとは、「障がいや病気があっても自宅で過ごしたい」という患者さんのために、在宅療養を支える職業です。
主治医と連携しながら、身体面だけでなく精神的なケアもカバーし、必要に応じた在宅ケアサービスを行います。
訪問看護ステーションで働くメリット
- 夜勤がなく土日祝日は休みであることが多い
- 在宅医療や地域医療のキャリアアップができる
- 1人の患者さんにじっくり向き合える
訪問看護は、1日に4〜5件ほどの患者宅を訪問し、患者さんやその家族と深く関わりながらケアやサポートを行います。
また個人宅以外にも、決まった介護施設に訪問看護を提供するケースもあります。
高齢化が進むなか、訪問看護のニーズはもっと高まっていくことが予測できるでしょう。
【未経験歓迎!】看護師におすすめの職種
看護師からの転職で、「医療業界を離れたい」と考えている方も多いと思います。
本章では、未経験からでもチャレンジできる「看護師におすすめのお仕事」をご紹介します。
営業職
営業職は自社の商品やサービスを個人もしくは法人に提案・販売する仕事です。
新規顧客の獲得や、既存のお客様先を回りながら、お客様の相談に乗ったり見積りを作ったりして商談を進めます。
看護師は常に患者さんと接してきた経験を持っているため、相手にわかりやすく話をしたり、物事を正確に伝えたりするコミュニケーション能力に長けていることが多いです。
また営業職に欠かせない「アフターフォロー」も、看護師として働いてきたきめ細やかさが活かせるでしょう。
「営業はノルマがある」「残業が多い」というマイナスなイメージもあるかもしれませんが、「やりがい」や「達成感」を大きく感じられる職種でもあります。
事務職
事務職は「未経験OK」の求人が多く、女性に人気の高い職業です。
事務の仕事はデータ入力や電話応対が基本になりますが、どの分野の事務を選ぶかで仕事内容がまったく異なります。
とくにスキルを必要としないのが「一般事務」や「営業事務」で、経験者に限定されやすいのが「法務事務」や「貿易事務」、「経理事務」です。
語学力があれば貿易事務が、法律を学んだ経験がある方は法務事務に向いているでしょう。
基本的にはパソコンを使った書類作成やデーター処理などが主な仕事ですが、来客や電話応対、そのほか細々とした雑務も多いです。
病院で電子カルテを使用した経験や、基本的なPCスキルを持っていれば、「即戦力」として働くこともできます。
美容業界
美容業界といってもさまざまな職業があり、美容部員やエステティシャン、ネイリスト、アイリストなどが挙げられます。
美容系の仕事は「衛生管理」や「接客スキル」が問われるため、看護師として働いた経験が武器になります。
経験よりも、「美容に興味がある」「美を追求するのが好き」といった仕事に対する意欲を重視する企業が多いので、美容業界の経験がない方でも転職しやすいのがメリットです。
ただし土日や祝日は勤務日になることが多いため、「週末は休みたい」という方には向いていないかもしれません。
販売・接客業
アパレルや雑貨店、化粧品など、さまざまな商品を店頭で販売する「販売・接客業」も看護師さんにおすすめです。
とくに化粧品や雑貨店などは肌に直接触れる商品を扱っているため、看護師としての知識を活かせます。
またファッションが好きな方は、好きなブランドで働けたり、提案した商品が売れたときの喜びを感じたりと、やりがいを持って働けるのもメリットです。
販売や接客の仕事は、正社員やアルバイトをはじめ、パート、派遣社員といった色々な働き方ができます。
繁忙期だけの期間限定のお仕事もありますので、自分に向いているかを見極めるために短期間だけ働いてみるのもいいでしょう。
企画職
企画職は自社商品の販売促進のため、市場や消費者のニーズを調査・分析し、宣伝や営業活動に活かします。
既存商品の改良をおこなったり、販促ツールの制作をして営業スタッフをサポートしたりするのも仕事の一環です。
自分のアイデアがヒットしたときの喜びや、会社の売上に直接関われるのも企画職の魅力でしょう。
コミュニケーションスキルや情報収集スキルが高い人に向いている職種で、トレンドに敏感で常にアンテナを張っておくことが求められます。
勢いで転職するのはNG!看護師から他職種に転職すべきかチェック!
看護師から他職種への転職は可能なことが分かりましたが、すぐに行動に移すのは危険です。
まずは以下の3つのポイントを理解して、転職すべきかを判断しましょう。
- 給料が下がる可能性がある
- 看護師に戻るのは難しい
- 年齢が高いと転職しづらい
給料が下がる可能性がある
看護師は「夜勤」や「残業」などが多いことから、同世代と比較しても高給与であることが多いです。
転職した場合、今の年収よりも下がってしまう可能性があることを理解しておく必要があります。
転職後はこれまでの生活水準を見直し、どのくらいまでなら給料が下がっても生活できるか考えてみましょう。
看護師に戻るのは難しい
他職種に転職したあと、また看護師に復帰したいと考える方も少なくありません。
しかし採用側から、「ブランク」や「転職」をどう捉えられるかが、復帰できるかのポイントになります。
ブランク期間が長いほど、技術や知識がついていけるか疑問視されますし、「また同じ理由で退職するのでは?」と懸念されてしまいこともあるでしょう。
現在は看護師不足が叫ばれており、「ブランク歓迎」の求人もよく掲載されています。
しかし自分が働きたい施設で働けるか、以前と同じ待遇や給与が保障されるかは疑問です。
これから他職種へ転職したいと考えている方は、「看護師に戻れない可能性もある」ことを肝に銘じておいてください。
年齢が高いと転職しづらい
看護師のスキルや経験は高く評価されますが、高齢になると転職しづらい傾向があります。
とくに「未経験の仕事にチャレンジしたい」と考えている場合、転職可能なのは30代前半くらいまでと覚えておきましょう。
30代後半以上になると異業種への転職は厳しくなりますので、看護師の経験が活かせる看護師以外の仕事をみつけることをオススメします。
看護師から他職種への転職を成功させる秘訣
看護師から他職種への転職を成功させるには、以下の4つのポイントを抑えておくことが大切です。
- 転職の目的を明確にする
- 在籍しながら転職する
- 転職のざっくりとしたスケジュールを立てる
- 自分に合った転職エージェントを活用する
これから具体的に転職活動をスタートさせたい方は、各ポイントしっかり把握しておきましょう。
転職の目的を明確にする
転職活動は時間も労力もかかり、人によっては半年以上の長期戦になることも少なくありません。
また不採用が続いたりするとモチベーションが下がり、途中で転職を諦めてしまう人もいるでしょう。
このようなとき、「転職の目的」が明確にある人とない人で、転職を成功させられるか否かが決まります。
将来の見通しがなく、「ただ看護師を辞めたい」という考えだけでは、困難な転職活動を続けられないでしょう。
一方で「この仕事がしたい!」「もっと家族との時間が欲しい」といった明確な目的を持っていれば、転職活動が上手くいかなくても目標がブレることはありません。
「自分が転職したい本当の理由は何か」をよく考え、目標や転職期限を決めて活動を進めていきましょう。
在籍しながら転職する
転職先が決まらない状態で、今の仕事を退職してしまうのは避けましょう。
転職したいと思ったらすぐにでも行動に移すべきですが、在籍しながら水面下で転職活動を続けることが大切です。
仮に退職してしまった場合、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 空白期間が長くなり採用されづらくなる
- 転職先が決まらない焦りから適当な転職先を選んでしまう
- 生活費が足りなくなりアルバイトを始めてしまう
「仕事をしながら転職活動をするのが大変すぎる」と感じたら、転職エージェントなどを利用して転職サポートを受けるのがおすすめです。
転職のざっくりとしたスケジュールを立てる
計画を立てないまま転職活動をスタートさせると、ダラダラと時間だけが過ぎていってしまったり、転職を挫折してしまったりするケースがあります。
いつ頃までに転職したいという目標を決めたら、「来月には応募をはじめたいから、来週までに応募書類を仕上げよう。そうなると、今週は自己分析を徹底しよう。」など、逆算してスケジュールを立てましょう。
一般的な転職には、3〜4ヶ月の期間が必要といわれており、予定に合わせて行動することで無駄な時間を省くことができます。
人間関係や体調の問題などで1〜2ヶ月で転職先を見つけたい方は、看護師の転職に特化したエージェントを利用するとスムーズに進むでしょう。
自分に合った転職エージェントを活用する
「自分に合った仕事が分からない」「転職がはじめてで不安がある」という方は、看護師の転職に詳しい「特化型エージェント」を利用するのがおすすめです。
看護師の仕事内容や転職市場に精通したアドバイザーが、あなたの経験やスキルが最大限に活かせる職場を無料で紹介してくれます。
キャリアの相談や応募書類の添削、面接対策、入社時の待遇改善や交渉など、すべてを一貫してサポートしてくれるので利用しない手はありません。
看護師の転職に特化したエージェントはたくさんありますので、口コミや利用者の満足度などを参考に、自分に合ったエージェントを利用しましょう。
看護師から他職種への転職は可能!
「看護師から他職種への転職は可能」ということについて解説しました。
看護師はコミュニケーションスキルや専門的な知識が豊富で、医療業界でなくとも活躍できる場所はたくさんあります。
ただし自分の強みやアピールすべきポイントが理解できていないと、希望する仕事に就けなかったり年収が下がってしまったりすることも考えなくてはいけません。
「看護師としてのスキル・実績」を最大限に活かすには、看護師の転職に特化したエージェントを利用するのがベストな方法です。
とくに「自分のやりたいことが分からない」「転職活動がはじめてで困っている」という方は、看護師の転職市場に詳しいアドバイザーからサポートを受けるといいでしょう。
あなたの転職が成功して、新しいフィールドで活躍することを祈っています。









