介護士の離職率は高い?退職理由や早期退職を防ぐコツを紹介!
介護士の離職率は日本全体の離職率と比べると、そこまで差は大きくありません。
近年は介護士の給与水準が上がっていて今後も改善されることが予想されています。
しかし、施設や地域によっては待遇が悪いところもあり、転職は慎重に行うべきです。転職してからミスマッチに気づいて、早期離職となることは避けたいですよね。
そこで今回は介護士の離職率について、退職理由や早期退職を防ぐコツを含めご紹介します。
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介護士の離職率は15.4%|他の職種と比べても高いわけではない!
介護労働安定センターの令和元年度「介護労働実態調査」によると、介護士の離職率は15.4%です。
厚生労働省の「平成30年雇用動向調査結果の概要」によると、日本全体の離職率は14.6%なので、若干介護士の方が離職率は高いですがそこまで大きな差はありません。
加えて、介護士の離職率は近年で以下のように下がっている傾向にあります。
訪問介護・介護職員の離職率 | |
---|---|
平成28年度 | 16.7% |
平成29年度 | 16.2% |
平成30年度 | 15.4% |
令和元年度 | 15.4% |
介護士は近年給与水準が上がっていて、政府の施策による月額給与の増加もあり、離職率が下がっていることが考えられます。
また、職種別の離職率は、以下のようになっています。
- 訪問介護員:13.6%
- 介護職員:16%
- サービス提供責任者:12.6%
上記のように、職種として介護職員の離職率が高い傾向にあります。
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介護士を退職している人の主な4つの理由
離職率が下がっているとはいえ、退職する人はまだまだいます。介護士を退職している人の主な4つの理由は、以下のとおりです。
- 給料が低い
- 勤務が不規則でプライベートとの両立が厳しい
- 人間関係を形成するのが難しい
- 仕事量が多く激務
給料が低い
介護士の給与水準は上がっているとはいえ、地域や施設によってさまざまです。
東京や大阪など首都圏地域の給与は比較的高いですが、地方エリアの給与はまだ低いところもあります。
厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、東京都で働く介護士(医療、福祉産業)の平均給与は32万5,500円/月ですが、ワースト1位の宮崎県では23万4,600円/月です。
両者を比べると約9万円の差があり、同じ職種でも働く地域によってかなり差があります。このように給与水準が上がっているとはいえ、地域によってはまだ給与が低いところもあることが退職する原因のひとつでしょう。
勤務が不規則でプライベートとの両立が厳しい
介護施設では職員が24時間交代で勤務しています。
日勤と夜勤があるのでシフトによっては不規則な勤務となり、プライベートとの両立が難しいケースもあるでしょう。
不規則な勤務は体力的に厳しいので体調を崩してしまったり、夜勤後は疲れがとれなかったりする人も少なくありません。
人間関係を形成するのが難しい
介護士として働いていて、人間関係がうまくいかない理由で退職する人もいます。仕事に対する考え方の違いや、上下関係、施設自体の雰囲気が悪いなどさまざまなケースがあります。
介護士に限らずどんな仕事でも人間関係の悩みはありますが、介護士の仕事は施設利用者と同僚どちらも人と関わる仕事です。
同僚とのコミュニケーションだけでなく、利用者やその家族との人間関係がうまくいかず退職するケースもあるでしょう。
仕事量が多く激務
介護士業界は人手不足が深刻で、一人あたりの仕事量が多い傾向にあります。
施設によっては労働時間がかなり長くなったり、シフトの組み合わせが厳しかったり、休憩時間も十分にとれなかったりします。
利用者の人々は介護度の低い人から高い人までいて、少ない人数で利用者の人々をみるため、一人あたりの仕事量が多く激務になります。
介護士として早期離職せずに転職に成功するための5つの秘訣
介護士として早期離職せずに転職に成功するための秘訣は、以下の5つです。
- 求人・HPなどで転職先の施設を十分に調べておく
- 転職前に施設を見学をして清潔感や雰囲気をチェックする
- 面接が極端に短くないかチェックする
- 求人に条件がしっかりと記載されているかチェックする
- 介護士の転職に特化した転職エージェントを活用する
求人・HPなどで転職先の施設を十分に調べておく
Web上に掲載されている求人情報や施設のホームページなどで、転職先施設を調べることは重要です。
自分が転職する上で転職先が条件に合っているかは、求人情報である程度把握できます。
転職を検討している施設の情報を事前にできるだけ知ることで、転職におけるミスマッチや早期離職を防ぐことが可能です。転職をする際は可能な限りリサーチを行っておきましょう。
転職前に施設を見学をして清潔感や雰囲気をチェックする
可能であれば、転職前に施設を見学してみましょう。
求人情報やホームページでもある程度施設のことを調べられますが、実際に施設を見学することで施設で働く自分をイメージしやすくなります。
施設を見学してみて施設内の清潔感や職員の雰囲気を感じ取れれば、自分がその施設に転職すべきか判断しやすいでしょう。
面談を受けた後でも見学して、想像と違った感じであれば入職を断ることも可能です。可能な限り、転職前に施設を見学するのがおすすめです。
面接が極端に短くないかチェックする
転職先での面接が極端に短い場合、注意が必要です。
転職の際に面接時間が短いと、その施設では「人が極端に足りておらずできるだけ早く入職してほしい」か「職員の扱いが悪い」可能性があります。
すべての施設が上記に当てはまるわけではありませんが、面接が極端に短かった場合、施設見学やさまざまな質問をしてみてから、転職を決めるのがよいでしょう。
求人に条件がしっかりと記載されているかチェックする
Web上に掲載されている求人情報や、転職前に提示される書類に条件が記載されているかチェックしましょう。チェックすべき項目は以下のとおりです。
- 入職日
- 勤務地、所属部署
- 給与
- 給与以外の支給
- 勤務形態
- 休日
- 勤務時間
- 試用期間
- 福利厚生
上記項目をチェックして、面談時に話していた内容と異なる場合は指摘しておくのがおすすめです。
入職してしまうと業務が始まり、忙しくなるので条件面での相談は難しいことが予想されます。必ず事前に書類には目を通して、条件面を確認するようにしましょう。
介護士の転職に特化した転職エージェントを活用する
転職を成功させるには、介護士の転職に特化した転職エージェントを活用するのがおすすめです。
介護士専門の転職エージェントでは、介護士ならではの悩みが相談できたり、求人数が豊富だったりします。通常の転職エージェントよりも、細かい部分で条件を提示して、より自分の希望条件に合う転職先が見つかりやすいでしょう。
介護士に特化した転職エージェントは以下のようなものがあります。
- マイナビ介護職
- かいご畑
- ジョブメドレー介護
- ダントツ介護
- 介護レポ
- カイゴジョブ
上記のような介護職に特化した転職エージェントを利用してみましょう。
介護士の離職率は高いわけではない!自分と会った施設を見つけよう!
今回は介護士の離職率について、退職理由や早期退職を防ぐコツを含めご紹介しました。
介護士の離職率は日本全体の離職率と比べると、そこまで差は大きくありません。近年は介護士の給与水準が上がっていて、今後も改善されることが予想されています。
しかし、地方エリアや施設によっては待遇が悪いところもあるので、転職の際には注意しましょう。
ぜひこの記事を参考に自分にあった施設を見つけて、転職を検討してみてください。