介護業界の主な職種一覧│各職種の詳しい特徴や目指す方法を紹介!
介護業界は介護士以外にも生活相談員や介護事務、ドライバーなどさまざまな職種があります。
働く場所や給料、必要な資格も異なるため、自分に合った仕事を見つけたいですよね。
しかし、介護業界は給与水準が低く、人手不足が深刻な点が問題とされています。
事前に介護業界の事情を理解したうえで、転職を決めるのがおすすめ。また、介護業界に特化した転職サービスを選ぶのもポイントです。
今回は介護業界の主な職種一覧と、各職種の詳しい特徴や目指す方法をご紹介します。
介護業界の職種一覧
介護業界の主な職種は、以下のとおりです。
- 介護士
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)
- サービス提供責任者
- 生活相談員
- 機能訓練指導員
- 調理職員
- 介護事務
- 夜間専任スタッフ
- 送迎ドライバー
- 福祉用具専門相談員
- 介護認定調査員
介護士
介護士とは、以下のような介護の仕事に就いている人を指します。
- 介護施設で介護の仕事に従事する人
- ホームヘルパー
- 訪問介護員
上記のような介護士は、主に食事、入浴、排泄、移動、着替え、口腔ケアなどの身体介護・生活援助を行います。
身体介護を行うには、介護職員初任者研修の受講が必要です。
介護職員初任者研修のカリキュラムは全部で130時間。
全課程修了後、試験を受けて合格する必要があります。難易度が高そうにみえますが、現職を続けながらでも取得できる資格です。
土日コースや夜間コースなどもあるため、生活スタイルに合わせて取得を目指せます。
一方、身体介護を行わない調理・洗濯・備品管理などは無資格でも行えます。
介護士になるには特別な資格は必要ありませんが、代表的な資格として国家資格の介護福祉士があります。
介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格。つまり、介護従事者全体を介護士と呼び、国家資格に合格した人のみが介護福祉士を名乗れることになります。
通常の介護士とは異なり、介護福祉士はご家族に対して自立支援に向けた介護技術や福祉用具の使い方アドバイスなどまで行うのがポイントです。
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護支援専門員は、介護を必要とする人が必要なサービスを受けられるようにケアプランの作成や事業者との調整を行う仕事です。
要介護者や要支援者のからの相談、市町村・サービス事業 者・施設等との連絡調整まで行います。
介護支援専門員になるには、ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)に合格することが必要。
指定業務を5年以上かつ900日以上経験することで、ケアマネジャー試験の受験資格を得られます。
サービス提供責任者
サービス提供責任者は、訪問介護サービスの計画・運営をする仕事です。
ケアマネジャーが作成したケアプランから訪問介護計画書の作成、サービスが正しく提供されるように業務全般に携わります。
サービス提供責任者になるには、以下の資格・経験が必要です。
- 介護福祉士
- 実務者研修修了者
- 介護職員初任者研修修了者かつ、3年以上(540日)の実務経験
生活相談員
生活相談員とは、介護福祉施設と利用者さん、そのご家族との相談対応、関係各所への連絡・調整、各種手続き、地域との連携などを行います。
つまり、介護サービスの窓口としての役割を担います。
生活相談員になるには、各自治体が定める資格要件を満たす必要があります。
東京都福祉保健局高齢社会対策部の「通所介護及び短期入所生活介護事業所における 生活相談員の資格要件について」によると、東京都で生活相談員になるための必要要件は、以下のとおりです。
社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者 | 社会福祉士社会福祉主事(3科目主事)精神保健福祉士 |
上記と同等以上の能力を有すると認められる者 | 護支援専門員、特別養護老人ホームにおいて、介護の提供 に係る計画の作成に関し、1年以上(勤務日 数180日以上)の実務経験を有する者、老人福祉施設の施設長経験者、以下の事業所または施設における介護に関する実務経験が通算で1年以上(勤務日数180日以上)あり、介護福祉士の資格を有する者 |
- 通所介護事業所
- 通所リハビリテーション事業所
- 短期入所生活介護事業所
- 短期入所療養介護事業所
- 特定施設入居者生活介護 (外部サービス利用型を除く)の特定施設
- 地域密着型通所介護事業所
- 認知症対応型通 所介護事業所
- 小規模多機能型居宅介護事業所(訪問サービスに係る実務経験は除く)
- 認知症対応型共同生活介護事業所
- 地域密着型特定施設入居者生活介護の地域密着型特定施設
- 地域密着型介護老人福祉施設
- 介護老人福祉施設
- 介護老人保健施設
- 介護療養 型医療施設及び介護予防・日常生活支援総合事業における通所型サービス
機能訓練指導員
機能訓練指導員は、利用者一人ひとりのに合わせて機能訓練をおこない、できるだけ自分で身の回りのことができるように支援する仕事です。
具体的には利用者の生活環境の確認、身体機能評価から、家族との相談、機能訓練計画表の作成、訓練実施などを行います。
機能訓練指導員になるには、以下いずれかの資格が必要です。
- 看護師
- 准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- あん摩マッサージ指圧師
- 柔道整復師
- 鍼灸師
上記のうち、鍼灸師が機能訓練指導員になるには、鍼灸師以外の機能訓練指導員が在籍する施設にて半年以上の実務経験が必要となる追加条件があるため、注意しましょう。
調理職員
介護施設の調理職員は、利用者や入居者の人に食事を提供します。
調理師として働く場合、国家資格の調理師免許が必要です。しかし、調理職員(調理スタッフ)として働くなら必要な資格はありません。
調理師と調理職員では、以下のように業務範囲が異なります。
調理師 | 料理、メニュー考案、食材の発注管理 |
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調理職員 | 食材のカット、盛り付け、食器洗い、調理場の掃除 |
加えて、管理栄養士が在籍している施設では、調理師が調理業務のみを担当するケースもあります。
介護事務
介護事務は介護施設での事務業務を担当します。
具体的には、施設の受付や介護給付明細書の作成、ケアマネージャーのサポート、電話応対、来客対応などが主な業務です。
介護事務を行うには、PCスキルなどに加えて、コミュニケーションスキルも必要といえます。
また、介護事務の仕事に必須の資格はありません。
しかし、関連資格の介護事務認定事務者(R)があると、介護事務に関する知識があることの証明となり、転職時に有利です。
夜間専任スタッフ
夜間専任スタッフは、介護施設で夜間のみを担当する働き方です。
夕方の17時〜翌日10時まで働くような、夜勤での勤務体系になります。
夜間専任スタッフの業務は、通常の介護士の仕事に加えて、主に以下のものがあります。
- 施設のみまわり
- 就寝準備
- 起床準備
夜間専任スタッフは日勤で働く介護士と異なり、レクリエーション対応がない点もポイントです。
夜間専任スタッフは就寝準備、起床準備で身体介護を行うので、介護職員初任者研修の受講が必要となります。
送迎ドライバー
送迎ドライバーは、デイサービスなどで介護施設の利用者の送り迎えを行う仕事です。
デイサービス利用者の自宅をまわり、介護施設まで送迎。夕方には介護施設から利用者の自宅まで送り届けます。
また、運転業務に加えて、利用者の乗り降りの介助や車椅子の上げ下げなども行います。
送迎ドライバーに必要な資格は、運転免許です。
ただし、送迎の際に介護士が同乗しない場合は、運転する送迎ドライバーが介護福祉士や介護職員初任者研修の資格を持っている必要があります。
したがって、求人によっては、介護福祉士や介護職員初任者研修の資格が必要となり、送迎ドライバーと介護士を兼任する可能性がることを理解しておきましょう。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、福祉用具に関するアドバイスを行う仕事です。
福祉用具を使用する利用者とその家族、担当のケアマネージャーなどに福祉用具に関するアドバイス、相談を受けます。
加えて、介護保険制度における福祉用具貸与事業を行う事業所には、2名以上の配置が義務付けされています。
そのため一定以上の求人あることが期待できるでしょう。
福祉用具専門相談員になるには、福祉用具専門相談員指定講習を受講し、修了試験に合格する必要があります。
また、以下の資格を保有している場合、福祉用具専門相談員として認められます。
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 保健師
- 看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 義肢装具士
介護認定調査員
介護認定調査員は要介護認定を調査する仕事です。
要介護認定は、介護サービスを希望する人がどれくらいの要支援状態・要介護状態にあるかを判定すること。
介護保険制度は、要介護度によって月々の利用限度額や受けられるサービスが変わるため重要な仕事です。
具体的には、希望者の自宅にて聞き取り調査や認定調査日時、場所などの調整を行います。
介護認定調査員になるには、新規・更新でそれぞれ以下の資格、条件があります。
新規調査 | 市区町村職員、法人職員 |
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更新調査 | 市区町村職員、法人職員、介護事業者、ケアマネージャー |
区分変更 | 市区町村職員、法人職員、介護事業者、ケアマネージャー |
上記のうち、事業受託した法人職員は下記条件を満たすことが必須です。
- ケアマネジャーとして5年以上の実務経験 ・都道府県が実施する調査認定員研修と委託元の市区町村が実施する研修を修了
- 認定調査経験が1年以上または、以下いずれかの資格を保有
- 医師
- 歯科医師
- 保健師
- 助産師
- 薬剤師
- 看護師
- 准看護師
- 歯科衛生士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 言語聴覚士
- 視能訓練士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 義肢装具士
- あん摩マッサージ指圧師
- 柔道整復師
- はり師
- きゅう師
- 栄養士
つまり、介護認定調査員になるには「特定資格を取得し、実務経験を積んで、指定の研修を受けるか、指定市町村事務受託法人か、指定居宅介護支援事業者に所属するケアマネジャーになることが必要です。
あらかじめ覚えておきたい!介護業界の事情
あらかじめ覚えておきたい介護業界の事情は、以下の3つです。
- 慢性的な人手不足&介護する側の高齢化
- 年収の水準が低め
- 未経験からでも始められて仕事を続けながら資格を取得できる
慢性的な人手不足&介護する側の高齢化
介護業界では、慢性的な人手不足&介護する側の高齢化が進んでいます。
公益財団法人 介護労働安定センターが行った令和2年度の「介護労働実態調査」によると、人手不足を感じている事業所は訪問介護員で80.1%、介護職員で66.2%にのぼります。
2人に1人以上の事業所で人材が足りていないと答えているため、多くの現場で人手が足りていません。
また、介護業界で働く人達の高齢化も進んでいます。介護業界で働く若い人材が減っているので、現場の負担が増えているのが事実です。
しかし、若い人からすれば、より好条件で働けるチャンスがあるのがポイント。20代の人が介護業界で働くにはぴったりのタイミングかもしれません。
年収の水準が低め
介護業界は年収の水準が低めで、厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇等調査結果」によると、介護職の平均月収は21.8万円です。
年収(ボーナスを含まない)に換算すると、261.6万円です。仮にボーナスをもらったとしても300万円前後となります。
一方、国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は約433万円です。
日本人全体の平均と比べて、介護業界で働く人の年収は130万円程度低いため、年収の水準が低いといえます。
将来的には少子高齢化が更に進み、需要増加による待遇改善が期待できますが、現状年収の水準は低いことを理解しておきましょう。
未経験からでも始められて仕事を続けながら資格を取得できる
介護業界で働く場合、未経験からでも始められて仕事を続けながら資格を取得できます。
介護業界の仕事は利用者さんのサポートをする介護士であれば、未経験OKの求人が多いです。
また、現職を続けながらでも勉強をして、実務経験を付けながら資格取得を目指すことも可能。
未経験からでも働きやすく、資格の取得も同時に目指せるのもポイントです。
介護業界で仕事を探すなら!おすすめの転職エージェント5選
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- 介護ワーカー
- 介護ワーク
- カイゴジョブ
- ココカイゴ転職
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介護業界の職種を理解して自分に適した仕事を見つけよう!
今回は介護業界の主な職種一覧と、各職種の詳しい特徴や目指す方法をご紹介しました。
介護業界には介護士以外にもさまざまな職種があります。
働く場所や給料、必要な資格も異なるため、事前にチェックしておくのがおすすめです。
ぜひこの記事を参考に介護業界での自分に合った仕事を探してみてください。