未経験から医療事務への転職|必要なスキルや転職のポイントを解説
病院・クリニックでの受付やカルテ管理などの業務を行う医療事務は、あらゆる業務形態で働けるため、女性に人気の転職先です。
残業が少ない点やイレギュラー業務がない点でも、ライフワークバランスを重視している女性におすすめです。
そんな医療事務に転職をしようとしている女性の中には、「未経験でも転職できるのかな…
」と疑問を感じている人も多いと思います。
そこでこの記事では、未経験から医療事務に転職するためのポイントや求められているスキル、医療事務の基本情報などを紹介していきます。
未経験から事務へ転職できる?成功のポイントは?必要とされる資格や志望動機を紹介
医療事務は未経験でも転職できる!
医療事務の仕事をイメージした時に、医療に関する業務やカルテ管理などの業務を思い浮かべるため、未経験からの転職は難しいのでは?と感じるかもしれません。
しかし、医療事務は経歴やスキルを問われない仕事なので、未経験からでも転職することができます。
実際に未経験として医療事務に転職している人は多いです。
本当にそれです!意味も分からずただやれと言われても…って感じで…職業訓練で医療事務講座受講→資格取得という流れで、全くの未経験だったので、本当に辛かったですー私もお仲間いて、救われました!ありがとうございます♡
— m(_ _)m (@mom97041817) May 23, 2021
フォロー外から失礼します。
新卒で医療事務(調剤薬局)に就職しました!
未経験無資格でも全然大丈夫です!
けど個人的にあまりおすすめしません…?— オム (@ompoyo_Got) May 26, 2021
突然すみません?姉が医療事務です!未経験無資格でも問題無いそうですよ!学生時代のバイト先の先輩でフリーターから医療事務になった方もいますよ。
— さ@21卒転職希望 (@sudeniyametai) May 22, 2021
医療事務は事前知識不要!業務で必要な知識を学ぶ
専門性の高い医療現場の事務職に未経験で転職できるのか、疑問を感じている人も多いでしょう。
医療事務に未経験として転職できるのは、業務をこなしていく中で必要な知識を学んでいくスタイルだからです。
受け付けやカルテ管理、診療報酬請求業務などはルーティーン業務ともいえるため、一度業務を覚えてしまえば比較的誰でもこなせます。
そのため、スキルや経歴を重視されず未経験者でも転職することができるのです。
医療事務の仕事内容は大きく分けて4種類
医療事務の仕事を大きく分けると、下記の4つに分類できます。
- 受付
- 会計
- カルテ管理
- レセプト業務
受付や会計は病院やクリニックに来院した患者に対して、診療申込書の記入や保健証・診療券の確認、患者負担分の会計などを行います。
来院した医療機関の印象を左右するポジションなので、人柄の良さや細かな配慮が求められます。
カルテは医師が行った診療の内容を記載する重要な資料のことで、その管理も医療事務の業務の1つです。
レセプトとは会計業務で預かった医療費を記載する診療報酬明細書のことで、患者が受けた診療の内容と、その点数を入力していく業務も医療事務が行います。お
医療事務の代表的な3つの雇用形態
医療事務は正社員として働いている人だけではなく、短時間勤務の人や派遣社員など様々な業務形態で働いています。
「育児中なので勤務時間を短縮したい」「フルではなく短時間で勤務したい」など、女性のニーズに合わせて勤務が可能です。
正社員
正社員の医療事務として働く場合、シフト制が一般的で各種社会保険が完備しているのが魅力です。
交通費や有給制度も充実しており、数ある雇用の中で最も安定しています。企業によってはボーナスも支給されます。
安定した雇用形態で働きたいと考えている人にぴったりです。
パートタイマー
パートタイマーは正社員とは異なり、時給制が採用されておりシフトもある程度自由に組み立てられます。
勤務時間を自由に調整できることから、主婦やブランクのある人にぴったりな雇用形態です。
また、収入金額も調整でき、要件を満たせば扶養家族として働く・勤務先で社会保障に加入するなど働き方にも柔軟性があります。
しかし、他の雇用形態と比べると収入が低いのがデメリットと言えます。
派遣社員
派遣社員も基本的には時給制が採用されており、パートと比べると若干時給が高いです。
契約期間が決まっていることが多く、半年~1年の契約で満期になると更新という流れになります。
派遣社員として経験を積めば、将来的には正社員に登用することもできるので、将来的には正社員として働きたい人にぴったりです。
【未経験者必見】医療事務に必要なスキル
未経験としても転職可能は医療事務ですが、誰でも転職できるわけではありません。
豊富な知識や経歴は求められていないものの、最低限必要とされているスキルがあるのでチェックしておきましょう。
- 基本的なPC操作
- コミュニケーション力
- 作業の正確性
医療事務に必要なスキル①:基本的なPC操作
医療事務の仕事で毎日のように利用するのが、レセプトコンピューター(レセコン)と呼ばれるPCソフトです。
レセコンは医療事務の仕事に特化しているPCソフトで、患者情報や診療内容などを入力することで、会計時の診療報酬明細書を一括作成できます。
医療事務でしか利用されないソフトなので、操作できるか不安に感じるかもしれませんが、マニュアル通りに入力するだけなので比較的簡単に覚えることができます。
また、WordやExcelといったオフィス系のソフトは使用頻度が少ないものの、全く利用しないわけではないため、基本的な操作は覚えておきましょう。
一般事務に求められているPCスキルがあれば、医療事務の仕事を十分にこなすことができます。
医療事務に必要なスキル②:コミュニケーション力
事務=あまり人と関わらないと思っている人が多いかもしれませんが、実際には人と関わる場面が多く、高いコミュニケーション能力が求められます。
というのも、医療事務は来院した患者さんが接する一人目の人物なので、接し方や立ち振る舞い次第で医療機関のイメージを大きく左右します。
また、患者さんは病気を患っており不安を抱えているため、安心感を与えられる言葉使いや振る舞いなどが必要です。
そのため、医療事務のコミュニケーションスキル次第で、病院やクリニックの経営を左右します。
来院者数を増やしたり利用者の評価を高くするためには、医師や看護師はもちろん、医療事務の対応力・コミュニケーション力の高さが重要なのです。
医療事務に必要なスキル③:作業の正確性
医療事務が行うレセプト業務は細かい入力作業が多いため、作業の正確性が重視されます。
医療事務が作成したレセプトが適切に入力されていないと、審査支払機関から支払を受けられないため、病院の診療報酬が少なくなります。
レセプトに記入している内容に不備や間違いがあると、レセプトが差し戻しされ、再度提出して審査を受ける手間が発生するのです。
そのため、レセプトを入力する医療事務の作業の正確性によって、病院の利益を左右します。
また、規模の大きい病院の場合は来院する患者数も多くなるため、作業の正確性に加えてスピーディーさも求められます。
未経験から医療事務への転職を成功させるポイント
未経験から医療事務への転職を成功させるには、しっかりとポイントを抑えて転職活動を進めるのが大切です。
そこでここからは、医療事務への転職を成功させるためのポイントを解説していきます。
- 通信教育で医療事務に関する基礎知識を学ぶ
- 経験やスキルを棚卸しして効果的な自己PRをする
- 転職のアクションをいち早く起こす
- 医療業界に強い転職エージェントを活用する
通信教育で医療事務に関する基礎知識を学ぶ
経験や知識がない未経験者でも医療事務へと転職することができますが、経験者と比べると転職で不利になるのは事実です。
そのため、転職をする前に通信教育やスクールなどに通い、医療事務への知識を身に付けておくのをおすすめします。
知識を身に付けておけば、仕事経験こそなくても、いち早く業務を覚えることができ病院の戦力になります。
経験やスキルを棚卸しして効果的な自己PRをする
これまでの職歴を振り返り、医療事務の業務で活かせそうな経験やスキルがないか棚卸ししてみましょう。
基本的なPC操作の経験や作業の正確性に関するアピールポイントがあれば、転職の際の大きな事故PRにつながります。
医療事務に関わらず事務の仕事内容は、全ての仕事の基本ともいえるので、振り返りをすれば何かしらのPRポイントが見つかるはずです。
医療事務への転職を成功させるためにも、スキルや経験の棚卸しは必須と言えます。
【例文あり】事務職の志望動機・自己PRの作り方!作成する際のポイントを紹介!
転職のアクションをいち早く起こす
医療事務は女性人気の高い職種で、年々人気が高くなっているため競争率が高い傾向があります。
競争率が高いと転職難易度が高くなってしまうため、できる限り早く転職のアクションを起こすのが大切です。
また、未経験での転職は年齢が若いほど有利になる傾向があるため、良い求人を見つけたら早め早めに行動をしましょう。
医療業界に強い転職エージェントを活用する
「どの様に転職すれば良いのか分からない!」「転職を一人で進めるのが怖い!」
上記の様な不安を抱えている人は医療業界に強い転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントを利用すれば、ヒアリング・応募書類の添削・面接対策など、転職を進めていく上で様々なサポートを受けられます。
また、企業の採用担当者と密接にやり取りをしてくれるので内定率もぐっとアップします。
医療事務への転職が有利になる資格
医療事務に関する資格は全部で4種類あり、いずれも国家資格ではなく民間資格に分類されます。
- 医療事務技能検査試験【メディカルクラーク】
- 医療事務管理士技能認定試験
- 医療事務認定実務者
- 診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務技能検査試験【メディカルクラーク】
医療事務技能検査資格はメディカルクラークとも呼ばれ、4つの医療事務資格の中で最も認知度の高い資格です。
医療事務技能検査資格では、受付業務・診療報酬請求事務業務のスキルや知識を身に付けることができ、取得しておくと非常に有利です。
日本医療教育財団が主催している資格で40年以上の歴史があるので、取得しておけば有利に転職を進められます。
試験日 | 数月第4土曜日実施(年6回) |
---|---|
受験料 | 7,500円(税込) |
合格率 | 79.5%(2019年度) |
医療事務管理士技能認定試験
技能認定振興協会(JSMA)が実施している医療事務管理士技能試験は日本初の医療事務資格で、医療業界で幅広く認知されています。
医療保険や診療報酬に関する仕組みなどを身につけることができ、会計やレセプトなどの正確なスキルを習得できます。
試験日 | 数月第4土曜日実施(年6回) |
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受験料 | 7,500円(税込) |
合格率 | 61.7%(2020年5月) |
医療事務認定実務者
医療事務認定実務者の資格は、全国医療福祉教育協会が実施している資格で、主に受付時のマナーや振る舞いなどの知識やスキルを学べます。
また、実務である診療報酬明細書の作成・診療報酬に関する知識などの作成技能が要求されます。
医療事務認定実務者の資格は4つの資格の中で唯一在宅で受験できるので、手軽に取得できる点でおすすめです。
試験日 | 毎月1回(年12回) |
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受験料 | 7,500円(税込) |
合格率 | 約60%~80% |
診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務能力認定試験は、4つの資格の中で唯一厚生労働省が認可している資格です。
医療保険関係の理解や法律・通知の読解力を基礎に医療に関する幅広い専門性が要求されます。
試験日 | 毎年7月と12月(年2回) |
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受験料 | 9,000円(税込) |
合格率 | 約30%~40% |
医療事務の平均年収はおよそ300万円
厚生労働省が行った「平成28年 賃金構造基本統計調査」によると、医療事務の平均年収はおよそ300万円です。
他の事務職と比較しても平均的な年収額と言えます。
資格や経歴、病院の規模によって多少年収に違いがあるものの、大きく左右するのは雇用形態です。
勤務場所 | 雇用形態 | 給与 |
---|---|---|
総合病院 | 正社員 | 月給17~34万円 |
総合病院 | 派遣社員 | 時給1000~1800円 |
総合病院 | パート | 時給850~1400円 |
クリニック | 正社員 | 年収240~500万円 |
クリニック | パート | 時給850~1200円 |
参照元:厚生労働省「平成28年 賃金構造基本統計調査」
最も年収が高いのは総合病院の正社員で、パートになると時給がかなり低くなっているのがわかります。
未経験から医療事務に転職するメリット・デメリット
医療事務に転職する場合、メリット・デメリットがあります。
転職前にそれぞれを把握して、転職した後に後悔しない様にしましょう。
医療事務に転職するメリット①:全国どこでも働ける
病院は大きな病院から小さな病院まで、全国各地にまんべんなくあるため、引っ越ししても仕事に困ることはありません。
病院の規模や科目に関わらず、医療事務の仕事は基本的に変わらないので、経験を活かして転職ができます。
そのため、都心から離れて生活をしたい・実家の近くで仕事を探したい時に有利に仕事を探せるのがメリットです。
医療事務に転職するメリット②:雇用形態が豊富で自由な働き方が選べる
医療事務は正社員だけではなく、派遣・パート・時短勤務など、様々な雇用形態から働き方を選べます。
そのため、ライフスタイルに合わせた働き方ができるのが大きなメリットと言えます。
子育て中の女性やワークライフバランスを重視したいと考えている人はこの上ない職種です。
しかし、正社員として勤務する場合は夜勤やシフト制になるケースがあるため要注意です。
医療事務に転職するデメリット①:複雑な医療の知識が必要
医療事務としての経験を重ねていくにつれて、受付やレセプトだけではなく、様々な業務が発生します。
そのため、事務といえども医療に関する専門的な知識を身につけなければなりません。
勉強が苦手・複雑な単語を覚えたくないと考えている人にはデメリットと言えます。
医療事務に転職するデメリット②:人と関わる場面が多い
医療事務は数ある事務の中でトップクラスに人とコミュニケーションを取る場面が多い職種です。
一般事務のようにパソコンと向き合って入力作業をしていればよいわけではありません。
そのため、あまり人と関わりたくないという理由で医療事務に転職すると、ミスマッチが発生してしまうことに。
コミュニケーションを取る機会は非常に多いと思っておきましょう。
医療事務は未経験でも転職可能!
医療事務は未経験からでも転職することができるため、興味がある人はぜひチャレンジしてみてください。
働き方が自由に選べ、仕事量もそこまで多くないので、ワークライフバランスを確立できます。
しかし、専門性の高い用語を使ったり、細かい作業をしたりする場面もあるので、決して簡単な仕事ではありません。
医療事務の業務内容や特徴をしっかりと理解し、自分の適正と合っているかを判断してから転職をしましょう!