フリーターの税金はいくら?納税がきつい時の対処法も解説
フリーターだから税金は払わなくてもいい、なんて思っていませんか?
フリーターでも正社員でも、一定の収入があれば納税の義務が発生します。
この記事では、フリーターが支払わなくてはならない税金の種類や支払い方法について詳しく紹介しています。
またフリーターでも確定申告が必要なケース、税金を払えないときの対処法も必見です。
毎月かかる税金を把握し、お金のやりくりができるように心掛けましょう。
フリーターの税金事情
「フリーターはバイト代がまるまる使える」と勘違いしている人はいませんか?
フリーターであっても日本に住んでいる限り、税金を支払う義務があります。
税金はフリーターや正社員という雇用形態には関係なく、一定の収入があると支払わなくてはいけません。
ただし収入によっては免除が受けられたり支払いが不要だったりするケースもあるので、詳しくみていきたいと思います。
月々にかかる税金は約4万円
ざっくりと計算して、フリーターが毎月支払う税金は4万円ほどになります。
学校を卒業してから就職せずにアルバイト生活を送ろうと思っている方、次の仕事先が決まらないけど会社を退社される方は、このくらいを目安に毎月の生活費を計算しましょう。
ただし元会社員だった方は年収がそれなりにありますので、さらに高い税金が発生する可能性もあります。
フリーターが払わなければならない税金の種類
フリーターが支払う税金は全部で4種類あります。
それぞれがどんな税金なのか、どうやって支払うのかをみていきましょう。
所得税
所得税は1月〜12月までの1年間で、年収103万円を超える人に課せられる税金です。
通常アルバイト代などは所得税を差し引いて支払われるため、支払っている感覚がない人が多いと思います。
ただし収入が103万円以下であれば所得税はかかりません。
所得税の支払方法
所得税(国税)の納付には、以下の8つの方法があります。
納付の種類 | 納付方法 |
ダイレクト納付 | e-Taxで申告をしている方は預金口座からの振替納付が可能 |
インターネット | e-Taxで申告をしている方はインターネットバンキング |
バンキング等 | モバイルバンキングから納付が可能 |
クレジットカード納付 | クレジットーカード決済(手数料がかかります) |
コンビニ納付(QRコード) | コンビニエンスストアで納付 |
コンビニ納付(バーコード) | コンビニエンスストアで納付 |
振替納税 | 預金口座からの口座引き落とし |
窓口納付 | 金融機関や所轄の税務署で現金 |
住民税
住民税とは、あなたの住んでいる町を運営する費用として徴収され、教育や防災、福祉などに使用されている税金です。
身近なものでいうと、毎週出しているゴミを収集したり処分したりする費用も、住民税から賄われています。
住民税は前年の所得に対して徴収されるため、社会人1年目や学校を卒業したばかりのフリーター1年目は住民税が発生しません。
また以下のような場合も、住民税の支払いが免除されます。
- 生活保護を受けている
- 障害者・未成年
- 前年の所得が区市町村の定める金額以下だった人
③は区市町村によって一定額が変わってきますが、およそ100万円と考えておくといいでしょう。
住民税の支払方法
正社員であれば会社の給与から天引きされますが、フリーターの場合は自分で治めなくてはいけません。
管轄の区市町村から納付書が送られてくるので、金融機関やコンビニエンスストアで支払います。
納付書には1年分を一括で支払えるものと、4回に分けて支払う合計5枚が入っています。
住民税は前年の所得の10%ですので、年収が200万円だった場合の住民税は約20万円です。
20万円を一括で支払うのはなかなか厳しいので、4回に分けて支払うといいでしょう。
国民年金
国民年金は税金ではありませんが、国民の義務という点では税金と同じ意味合いです。
20歳の成人になると「加入」というかたちで支払いがスタートします。
会社員の場合は厚生年金が給与から天引きされますが、年収によって引かれる金額もさまざまです。
フリーターは毎月1万6,410円(令和元年度)の定額となっています。
国民年金に比べ、厚生年金の方が毎月の支払額も大きいのですが、将来受けとれる金額も多いのが特徴です。
厚生労働省の調べでは、会社員や公務員の平均受給額は月15万円となっています。
一方、フリーターとして一生暮らした場合にもらえる年金額は非常に少なく、月に5万5,000円程度です。
親がたくさんの財産を残してくれたり、自分の子どもに面倒を見てもらえたりしない限り、この金額だけでは将来まともな生活を送ることは不可能に近いでしょう。
参考:厚生労働省「平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業年報
国民年金の支払方法
国民年金の支払い方法には、次の3つがあります。
- 口座振替
- 納付書での支払い
- クレイジットカード払い
1. 口座振替
金融機関や年金事務所の窓口で手続きができます。
毎月月末に自動引き落としされるため、払い忘れを防止でき振り込みの手間が省けます。
2. 納付書での支払い
コンビニや金融機関などで納付書を提出して支払います。
納付書を紛失してしまった場合は年金事務所へ連絡しましょう。
3. クレイジットカード払い
クレジットカード払いを利用するには、申請書を年金事務所の窓口へ提出する必要があります。
またカード会社によってはポイントも貯まるのでおすすめです。
国民年金には、6ヶ月・1年・2年の前納払いという方法もあります。
まとめて払うことで割引が適用され、2年ですと1万5,640円もお得です。
国民健康保険
国民健康保険とは、医療機関で支払う医療費を3割負担にしてくれるための保険です。
保険証を忘れてクリニックに行った経験がある方はご存知だと思いますが、保険に加入しなかった場合、風邪などで診察を受けて処方箋をもらうだけで約1万円がかかります。
もし加入していない人がいれば、今すぐ役所に行き加入手続きを取ることをおすすめします。
病気や怪我をしたときに恐ろしい医療費の請求が来ますので、自身の健康のためにも必ず支払うようにしましょう。
年収が130万円未満であれば、親の社会保険の扶養に入ることもできます。
ただしアルバイト先が従業員501名以上の企業であれば、年収106万円以上でも支払いの義務が発生します。
国民健康保険の支払方法
国民健康保険も国民年金と同じように、口座振替や納付書、クレジットカードでの支払いが可能です。
最近ではLINE Pay(ラインペイ)やペイジー、モバイルレジにも対応していて、簡単に振り込めるようになりました。
納付書の送付に関しては注意が必要で、あなたが実家暮らしなどで世帯主ではない場合、法令により世帯主宛に送られてきます。
父親宛と思って放置しないようにしましょう。
フリーターの税金は源泉徴収される場合もある
フリーターであっても正社員と同じように、源泉徴収されて納税している場合がほとんどです。
源泉徴収されていれば、所得税や保険は自分で収める必要がありません。
しかし源泉徴収は実際に納めるべき所得税額とズレて治めているケースもあります。
その際に行うのが年末調整です。
年末調整とは?
年末調整とは、払いすぎた税金などのズレを修正する手続きです。
年の途中で給与が変わったり、扶養家族が増えたり、生命保険や火災保険など控除の対象になる保険に加入した場合に年末調整が必要になります。
勤め先によっては会社が行ってくれるので、個人で手続きを行う必要はありません。
フリーターには確定申告が必要な場合もある
勤務先で年末調整をしていない場合や、アルバイトを掛け持ちしている方、副業で20万円以上の収入がある場合は、税務署で確定申告を行う必要があります。
給与明細をみて源泉徴収がされているのであれば、確定申告をすることで過払いの税金が戻ってくる可能性が高いです。
年収によっては数万円の還付が受けられることもあります。
また確定申告が漏れていると資産を抑えられたり、翌年に通常よりも多い税金を支払うことになったりします。
毎年3月15日までに、しっかりと確定申告を行いましょう。
年金や保険料を払っていないフリーターが増加している
年金や保険料を支払わない若者が増え、社会問題になっています。
「自分で稼いだお金なのに税金なんか払いたくない」という気持ちは分からなくはないですが、支払わずに困るのはあなた自身です。
年金は将来受けとれるお金というだけではなく、あなたが事故や病気で働けなくなった場合に、あなたの家族を養ってくれる保険になります。
また健康保険料を払っていなければ病院に行くこともできず、健康を損ねてしまうことも考えられます。
支払いが厳しくなったら役所に相談しましょう
収入が少ない、仕事を辞めてしまったなどの理由でどうしても支払いが難しいという場合は、役所に相談することで解決できることがあります。
支払いが免除されたり猶予期間が与えられる
国民年金であれば、納付期限から2年さかのぼって免除の申請が可能です。
もちろん年収によって免除が難しいケースもありますが、その場合は猶予期間が与えられることもあります。
何の相談もせずに滞納してしまうと、給与や資産の差し押さえや家族に迷惑をかけてしまうこともあるため、請求を無視するのはやめましょう。
フリーターだからといって支払わなくて良い税金はない
フリーターでも税金を納める義務があるということが分かりましたね。
日本国民である私たちが平穏に暮らすためには、税金を治めて高齢者や子ども世代、国全体を支えていく必要があります。
国民年金や健康保険は決して安くはありませんが、自分や家族を守ってくれる保険です。
フリーターであってもしっかりと国民の義務を果たしましょう。