エンジニアの転職に必要なスキルとは?市場価値の高いスキルや資格について紹介!
未経験でもチャレンジしやすく、収入や雇用も安定しているエンジニア職。
技術者としてマネージャーや管理職へのステップアップも可能なので、20代の若年層はもちろん、キャリアアップを考える30代やミドル層からも注目されている職業です。
「スキルを習得してエンジニアに転職したい」
「これまでのキャリアを活かしてワンランク上のエンジニアになりたい!」
本記事では、エンジニア未経験者とキャリアアップを目指す経験者に向けて、それぞれに必要なスキルをご紹介しています。
現場で長く活躍できるエンジニアになりたい方は、企業が求めるスキルやキャリアアップのための資格取得について、最低限の知識を身につけておきましょう。
【基本的】エンジニアに必要なスキル
これからエンジニアを目指したいという方に向けて、必要最低限の基本的な4つのスキルをご紹介します。
転職活動をはじめる前に情報を収集し、基礎スキルを習得しておきましょう。
仕事上で会話が成り立つレベルのIT関連の知識
エンジニアと一言でいっても、職種によって業務内容が大きく異なります。
ネットワークやサーバー、AI、Web、インフラ、データベース、サポートなど、さまざまな種類に分類されますが、どの職種であっても共通して必要なテクニカルスキルを身に付けておくことが大切です。
ハードウェアやソフトウェア、OS、アプリケーションといった基本的な要素から、IoT・AI・ビッグデータ・デジタルトランスフォーメーションなど、近年話題に上がるITに関連するニュースなどを理解しておきましょう。
ITについての知識がまったくない方は、初心者向けの本や雑誌で勉強することをおすすめします。
また未経験者がエンジニアにチャレンジする際には、基本の知識を持っていることを証明するため、資格を取得するのもいいでしょう。
ビジネスマナー
パソコンに向かって黙々と作業するイメージが強いエンジニアですが、クライアントや協力会社とやりとりする機会は多々あります。
また客先に常駐したり、クライアントから要件をヒアリングしたりといったシーンも多いので、ビジネスマナーを習得しておくこともエンジニアの大切な任務です。
パソコン操作スキル
エンジニアを目指すなら、最低限のパソコンスキルを身につけておくことが大切です。
具体的には、ほとんどの企業が導入しているMicrosoft社のオフィスソフト「Word」「Excel」「PowerPoint」「Access」の基本的な操作、メールソフトやファイルの保存・管理などは必須と言えます。
さらにエンジニアとして活躍するためには、プログラミングスキルの習得も大前提です。
企業や職種によって扱うプログラミング言語は異なるので、なりたい職種を明確にしてから学ぶべきプログラミング言語を身に付けましょう。
ここをクリアしなければ採用で不利になり、書類選考も通過できないという結果に終わってしまいます。
有利な転職を目指すのであれば、企業や業界が求めているプログラミング言語をリサーチしてみるのもおすすめです。
仕事に支障が出ないようなコミュニケーションスキル
エンジニア未経験の方は、「エンジニアになるとコミュニケーションを取る機会が少なくなる」と勘違いしている人もいるかもしれません。
しかし優秀なエンジニアを目指すのであれば、コミュニケーションスキルが高いほど転職に有利です。
未経験であればクライアントと打ち合わせをする機会も少ないですが、エンジニアはチームで仕事をするので、円滑なコミュニケーションを図る必要があります。
エンジニアの面接では、「コミュニケーションスキルがあるか」「協調性を持って働けるか」がチェックされますので、しっかりとアピールすることが重要になるでしょう。
【キャリアアップ向け】エンジニアに必要なスキル
次に、エンジニア経験者向けの「キャリアアップ転職」に必要なスキルを解説したいと思います。
即戦力として活躍できる経験者に求められるスキルは、以下の7つです。
- 高度なプログラミングスキル
- 高度なIT知識
- 設計書や仕様書の作成スキル
- 論理的な思考
- マネジメントスキル
- ビジネスレベルの英語力
- プロジェクトの管理能力
この中で3つ以上、自信を持っているスキルがあれば、あなたは「市場価値の高い人材」として今よりも高いキャリアを目指すことが可能でしょう。
高度なプログラミングスキル
エンジニアの市場価値は、時代や世の中の流れによって変化します。
そのため今持っているスキルに甘えることなく、常にトレンドを求めて積極的に学ぶことが大切です。
また需要の高いプログラミング言語を習得していること、幅広い知識を持っていることも重要ですが、特定の分野で「スペシャリスト」と呼ばれるような得意分野を持っていると価値の高いエンジニアと判断されます。
「この分野では周囲よりも秀でている」と自信を持って言えるスキルを磨くことで、企業でも重宝される存在になれるでしょう。
高度なIT知識
IT技術の進歩はスピード感があり、世の中のトレンドやこれから成長する分野に敏感であることも、キャリアを磨く上で大切なことです。
近年ではAIやIoTに注目が集まっており、世界中で研究や実用化が盛んに行われています。
これらの分野に強いエンジニアであれば、医療業界や物流業界、自動車業界など、活躍できるフィールドも無限です。
また今後もさらに発展することが予測されるので、IT業界に固執することなく、自分の興味ある新しい業界に飛び込むことも可能になるでしょう。
設計書や仕様書の作成スキル
エンジニアとして上流の業務を担当するには、設計書や仕様書を作成するスキルが必要不可欠です。
とくにシステムエンジニアとして転職を成功させるには、採用企業から要件定義や設計の経験が問われるでしょう。
またエンジニアはクライアントの要望をまとめたり、設計書を作成したりする際に、注意点や使い方などの書類を作成するシーンも多々あります。
相手が読みやすく理解しやすい文章を書く技術、専門的なことを分かりやすく伝えられる技術があると、顧客満足を考えたエンジニアとして一目置かれる存在になれます。
論理的な思考
「論理的な思考」はロジカル・シンキングとも呼ばれ、「物事の筋道を立て論点を整理し、課題を解決する力」を指します。
論理的思考力が高いことで、自分の考えを論理的に伝えることができ、クライアントを説得させることが容易になります。
エンジニアとして働く上で、ミスやバグ、障害は日常茶飯事。
原因を見つけ冷静に判断した上で軌道修正をするには、エンジニアとしての経験や直感ではなく、論理的思考が必要になってきます。
話の論点をまとめるのが苦手な人、自分の考えを整理できない人は、エンジニアには向いていないかもしれません。
友人や職場の人と会話をしていて、「何を言いたいのか分からない」「で、結論は何なの?」と言われるような人は要注意です。
マネジメントスキル
求人でもニーズが高いのが、プロジェクトの責任者として全体を総括する「マネジメント職」です。
現職でチームリーダーや責任者として活躍した経験があれば、有利な転職ができるでしょう。
マネージャークラスになると、各エンジニアのスケジュール管理や課題管理、リソースの管理や品質管理など、業務内容が多岐に渡ります。
またプロジェクトが稼働するとクライアントの要望や問題をヒアリングしながら仕様を策定し、予算やスケジュールを調整するのも重要な仕事です。
なかには1年以上に及ぶプロジェクトもあるため、どれだけチームをまとめて予定通りに納品できるかが問われます。
ビジネスレベルの英語力
エンジニアとして働く上で、英語力は必要不可欠という訳ではありません。
しかし英語を習得することでエントリーできる企業が増えたり、採用で有利になったりするのは、キャリアアップを目指すエンジニアにとって大きなメリットです。
日本でもグローバル化が進み、英語力を求める企業や、英語を社内の公用語として活用している企業も増えてきました。
ビジネス会話ができる程度の英語力があれば、外資系企業をクライアントに持ったり、国内にとどまらずに海外で活躍したりすることも可能になるでしょう。
プロジェクトの管理能力
エンジニアとして抜きん出た存在になるためには、プロジェクトを管理する能力も必要です。
納期に沿ったスケジュールを立て必要なエンジニアをアサインし、プロジェクトを円滑に進めるスキルがあれば、採用においても有利に働きます。
プロジェクトを綿密に管理するためには、問題を解決する能力や決断力も求められることになり、これらをクリアすれば管理職として活躍できる日も近いでしょう。
スキルアップしたいエンジニアは資格取得がおすすめ!
エンジニアは需要が高い職業ですが、より好条件の求人を獲得するには「他者との差別化」が重要です。
選考で一歩リードするためにも、履歴書でアピールできる資格取得を目指しましょう。
エンジニア向けの資格は多数ありますが、ここでは採用でも有利になりやすい人気の資格を紹介しています。
自分がなりたい職種に合った資格を選んでみてください。
- データベーススペシャリスト試験
- ITパスポート試験
- 応用情報技術者試験
- シスコ技術者認定プログラム
- Microsoft認定資格プログラム
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、「合格率15%前後」の非常に難易度の高い国家資格です。
プロジェクトリーダーやマネージャーポジションを目指す方におすすめで、高度な専門知識を持ったIT人材ということを証明できます。
試験の難易度は最高ランクのレベル4に値するため、長期的な学習計画を立てる必要があるでしょう。
独学の場合は1年ほどの勉強期間が必要になることもあり、プライベートの時間も勉強に費やす覚悟が必要です。
しかしデータベーススペシャリスト試験に合格することで、データベースに関する専門知識が身に付き、高レベルな実力を持ったエンジニアとして選考を有利に進めることができます。
ITパスポート試験
ITに関する基礎知識があることをアピールしたい方は、ITパスポート試験にチャレンジしてみましょう。
国家試験の中でも入門レベルになるので、これからエンジニアにチャレンジする方や業界未経験の方におすすめです。
試験の合格率は50%前後となっており、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジー系の知識が身に付きます。
試験は全国で開催されていて、試験の3ヶ月前から申し込みが可能です。
ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は180時間程度といわれているので、3ヶ月後の試験に向けて1日2時間の勉強時間を設けてみるのもいいでしょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、情報処理推進機構が提供する国家資格です。
「高度なIT人材を認定するための資格」とあって、合格率は20%前後という難易度の高さで、実務経験があるエンジニアでも合格は難しいと言われています。
出題される内容は技術的な問題から経営戦略、マネジメントについての問題もあり、毎年4月と10月の年2回実施されています。
国内最難関の試験とも言われる「高度情報処理技術者試験」にチャレンジするための腕試しとして受験する人も多く、持っていると会社から資格手当がもらえるケースもあるようです。
シスコ技術者認定プログラム
ネットワークエンジニアを目指すのであれば、世界最大手のネットワーク機器メーカーであるCisco社の資格がおすすめです。
シスコ技術者認定プログラムの中でも、「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」といったランクがあります。
ネットワークの基礎を学ぶなら、もっとも知名度が高い「CCNA」にチャレンジしてみるといいでしょう。
CCNAを取得することで、ルーターやスイッチといったネットワーク製品の知識や技術が習得できます。
ただしシスコ技術者認定プログラムの資格は「3年で失効」してしまうため、3年ごとに資格を更新しなくてはなりません。
しかし、このシビアな仕組みがシスコ術者認定プログラムの強みでもあり、次の試験では上位レベルに挑戦できるようスキルアップや知識の習得に前向きになれるのがメリットです。
Microsoft認定資格プログラム
Microsoft認定資格プログラムは「MCP」とも呼ばれ、世界150ヵ国以上で実施されている民間の資格です。
マイクロソフト製品の知識や技能を証明できる資格で、データエンジニアやAIエンジニア、開発者、セキュリティエンジニアを目指す方などに最適です。
MCPは「Fundamentals」「Associate」「Expert」という3つのグレードに分類されていて、自分のレベルによって取得する資格を選ぶことができます。
「Fundamentals」は初心者向けで、実務経験者であれば中級レベルの「Associate」がおすすめです。
より専門的な知識習得をアピールしたい場合は、上級レベルの「Expert」にチャレンジするといいでしょう。
試験は随時開催されていますので、自分の学習のベストなタイミングで受験することができます。
エンジニアが常にスキルアップすべき理由
エンジニアとして活躍し続けるためには、「継続的なスキルのアップデート」が必要不可欠です。
ここでは、エンジニアのスキルアップが欠かせない理由について解説したいと思います。
IT業界は常に情報がアップデートされていくため
IT業界の進歩は著しく、それに対応できる「エンジニアの技術発展・育成」も企業の重要な課題です。
数年前のインフラ構築においては、社内に物理的なサーバーやシステムを構築する「オンプレミス型」が主流でしたが、今では導入コストも低く複雑な設定も不要な「クラウド型」が主流となっています。
この変化に伴い、インフラエンジニアは各クラウドサービス社が独自に開発する運用ツールやSDKなどのスキルが求められるようになりました。
今後もIT技術は常にアップデートされ続けていくことが予想されるため、需要の高いエンジニアになるためにもスキルアップを怠らない努力が必要になります。
競合他社よりも一歩先を進まなければならないため
他社よりも優れた商品を提供するには、最新の技術を習得し、それを発揮することが重要です。
常に知識をアップデートし続けるエンジニアは企業からも重宝され、戦力として第一線で活躍し続けることができます。
また一社員からリーダーやマネージャー職を目指すなら、ユーザー目線で物事を考える習慣を身につけておかなくてはいけません。
リスク回避やコスト削減、使いやすさなど、ユーザーの立場で商品を提供することで、自分のスキルや技能がさらに磨かれるでしょう。
エンジニアと必要なスキルを身につけてキャリアを形成しよう!
これからエンジニア職を目指す方、さらなるキャリアアップを目指す方に、エンジニアに必要なスキルを紹介しました。
世の中には色んな職種がありますが、エンジニアは転職しやすい市場が広がっています。
年収アップやキャリアアップは努力次第で実現でき、仕事に対するやりがいや価値を掴むこともできるでしょう。
エンジニアとしての転職を成功させるには、応募したい企業が求めているスキルや人物像を読み取り、自分の強みをアピールする必要があります。
条件のいい求人や人気企業は競争も激しいので、市場価値の高いエンジニアになれるよう努力しましょう。
転職に自信がない方は、エンジニアの転職に強い転職エージェントを活用してみるのもベストな方法です。
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