中小企業から大手転職できる?中小企業と大手企業のメリット・デメリット
中小企業から大企業へ転職したい方へ、大企業に入社するためのノウハウを紹介しています。
この記事を読むことで、以下の内容が理解できます。
- 大手へスムーズに転職する方法
- 大企業とはどんな会社なのか
- 大企業が向いている人の特徴
- 大企業への転職を成功させる方法
また中小企業出身者が自分の環境をきちんと把握できるように、大企業と中小企業のメリット・デメリットについても深く掘り下げて紹介しています。
大企業への転職に役立てて下さい。
中小企業からでも経験次第で大手企業に転職は可能
人手不足のご時世ですから、中小企業から大手への転職は可能です。
しかし、採用されやすいタイミングや強みを把握せずに応募しても、大手出身のライバルに負けてしまうかもしれません。
はじめに、中小企業から大手企業への転職を成功させるポイントを抑えておきましょう。
専門性を磨いて大手企業に転職
大手企業が中途採用をする場合、専門性のある人材をターゲットにすることが多いです。
例えば、海外に進出する際に貿易の経験がある事務職を募集したり、IT業界へ参入する際はITエンジニアやIT知識のある営業マンを募集したりします。
大企業が求めているものをあなたがピンポイントで持っていれば、「中小企業出身だから大手には採用されない」ということはないでしょう。
大量採用を狙って大手企業に転職
営業職やエンジニア職は人が足りていないこともあって、大量採用をすることがあります。
とくに不動産業界やIT業界、保険、製薬会社のMRなどに多い傾向です。
大量採用であれば、業界は違っていても同職種への転職はしやすいでしょう。
その逆の、職種は違うが同業界への転職というのも可能です。
大量採用で内定をもらうには、企業が求める人材にヒットするような経験を積んでおくことが重要です。
未経験・正社員未経験からの転職は難しい
未経験でのチャレンジや、正社員経験がない人の転職はむずかしいでしょう。
大企業は人気が高いので、「応募者が少なくて採用担当者が困っている」というようなことはありません。
未経験の仕事に挑戦してみたいのであれば、一旦は中小企業に就職してスキルを身につけ、次のステップアップで大企業を目指すというのが確実な方法です。
あなたが20代であれば3年ほど経験を積んでからでも遅くはありません。
一方で、30代の未経験者が大企業へ応募するのは厳しいものがあります。
大手企業で働くメリット・デメリット
大手への転職を考えているなら、メリットとデメリットの双方を理解しておくことが大切です。
大手企業で働くメリット
- 高収入
- 倒産のリスクが低い
- 教育・研修制度の充実
- ネームバリューがあり仕事がしやすい
- 福利厚生の充実
- サービス残業がない
大手企業にはこのようなメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
高収入
大企業の平均年収は700万〜800万円と言われており、中小企業と比較すると300万円以上の年収の差があります。
収入は仕事へのモチベーションにもつながるので、大切なポイントです。
倒産のリスクが低い
資本が大きいということもあり、簡単に倒産しない仕組みになっているのが大企業です。
大企業には関連会社や小会社、取引先も数多くあるので、倒産すると社会全体が打撃を受けてしまいます。
そのならないために国が支援することも多く、「将来性が不安」という心配とは無縁です。
教育・研修制度の充実
大企業は何百人も新卒採用をして、教育や研修に資金を投入し社員を育てます。
役職が上がったり在籍年数が経ったりすると、教育もステップアップするので、中途採用でも学びやすい環境になっているのが特徴です。
職人の世界にありがちな、「見て覚えろ」的な要素はありません。
ネームバリューがあり仕事がしやすい
中小企業から大企業に行くと、仕事のしやすさを実感できます。
とくに営業職はそのような体験をする機会が多く、新規顧客の開拓がスムーズで、以前より楽に仕事ができると思うでしょう。
福利厚生の充実
家族手当や住宅手当、結婚祝いや出産祝いなど、給与以外の収入が期待できます。
また社食のランチが無料だったり、ランチ会議で豪華なお弁当が食べられたりもします。
確定拠出年金や退職金制度もあり、老後も余裕のある暮らしが保証されているのも大企業の魅力です。
サービス残業がない
大企業には労働組合があったり、監査の目が厳しかったりするため、ブラック企業のようなサービス残業がほとんどありません。
万が一見つかった場合、会社のイメージダウンや株価に影響があるからです。
また、残業の際には事前に上司に申請して、不要な残業がないよう管理されています。
以前の大企業は「夜遅くまで残業している人が多い」というイメージがありましたが、今は「業務時間内で仕事を終わらせて早々に帰る」ことが定着してきているようです。
大手企業で働くデメリット
- 組織の歯車になりやすい
- 企業に必要とされていると感じにくい
- 評価制度に不満を持ちやすい
- 責任ある仕事を任されない
- 人間関係が面倒
次に大企業ならではのデメリットを詳しく解説します。
組織の歯車になりやすい
会社規模が大きいと、仕事の規模も大きくなります。
一つのプロジェクトに大勢の人が関わるので、自分の意思をしっかり持って業務全体を把握していなければ、幅の狭い仕事しかできません。
このような「与えられた仕事しかしてない」「仕事に対する姿勢が受動的」という人材は大手に多いのが特徴です。
そうなると転職をする上でも武器になるものがなく、「大手出身者」という肩書だけで転職活動をする羽目になります。
企業に必要とされていると感じにくい
大企業には、有名大学出身者や大学院卒の社員がゴロゴロいます。
少しくらい仕事ができても目立つことはなく、自分から何かしらのアクションを起こさなければ、存在自体が薄くなります。
「自分の代わりはいくらでもいる」と考えている社員も多く、40代や50代で出世していない社員は「会社にしがみついている人」と思われることもある辛い環境です。
評価制度に不満を持ちやすい
ITが進化し、日本はグローバルな時代を迎えています。
しかし「評価システムは古いまま」という大企業がたくさんあり問題になっています。
結果を出したとしても、上司の評価次第で個人の成績やランクが決まるため、社員のモチベーションも上がりません。
また評価を下すマネージャー自身が忙しいため、部下の一人ひとりを観察することは不可能です。
責任ある仕事を任されない
20代の若いうちは、責任のある仕事や役員管理の案件を任されることは少ないです。
大手で働いている若手は毎日同じような仕事をしていて、ルーティン化されていることが多いのではないでしょうか?
そのため成長を感じにくく、モチベーションが下がりがちです。
「責任ある仕事はやりたくない」という人いとってみればプラスかもしれませんが、仕事を通して成長することはできないでしょう。
人間関係が面倒
社員数が多いのでいろんな出会いがあり、人脈が広がるのは大企業の素晴らしいところです。
しかし人間関係に不満を持ち、退社する人が後を断ちません。
「上司の仕事の仕方が気に入らない」
「同僚や先輩とうまくいかない」
などの意見が多いようで、若手の早期離職の原因にもなっています。
中小企業で働くメリット・デメリット
次に中小企業のメリットとデメリットを見てみましょう。
中小企業で働くメリット
- 仕事への満足度が高い
- 責任ある仕事を早くから任せられる
- 業務の幅が広く裁量権を持てる
- 自分の成果が会社の業績に直結している
- 転勤の可能性が低い
中小企業のメリットついて詳しく解説します。
仕事への満足度が高い
中小企業で働くメリットは、エンドユーザーまでの距離が近いことが挙げられます。
自分が携わった商品やサービスを、「どんな人が利用しているのか?」「反響はどうなのか?」などを直接的に感じることが可能です。
大規模の仕事をしている人よりも、「誰かの役に立っていることを実感できる方が幸せ」という人もいます。
しかし満足度は個人によって大きく変わるため、あくまでの筆者の意見として受け取って下さい。
責任ある仕事を早くから任せられる
営業職の場合、入社3ヶ月でお客様を任せられることなど、中小企業では当たり前です。
先輩に同行するのは最初の1ヶ月くらいで、独立できるまでのスピードも大手より早いでしょう。
他の職種でもそうですが、中小企業では「卓上でダラダラ作業させるよりも実践させて覚えさせる」といったスタイルの会社が多いため、早い段階で責任あるポジションを任せられます。
業務の幅が広く裁量権を持てる
人事部に配属になった場合、「採用」「育成」「評価」「労務管理」などの仕事に携わりますが、大手ではセクションが分かれていて、一部の仕事しか携われません。
一方で中小企業は、人数の兼ね合いもあり全ての業務を数名で担当します。
また一案件を全て任せられることや、自由に進めていいと言われることもあり、若くても裁量権を持って働けるのが中小企業の魅力です。
自分の成果が会社の業績に直結している
目標を達成したとき、前年度の売り上げを超えたとき、会社全体で喜びを分かち合えるのも中小企業のメリットです。
自分の成果次第で会社の業績が左右するのも、会社をコントロールしているような面白みがあります。
会社に利益をもたらしてくれる人は重宝されますし、社長も手放しません。
自分の価値を高めてくれる中小企業は、社会人として大きく成長できるフィールドです。
転勤の可能性が低い
大企業は全国に支店があったり、定期的な配置換えがあったりするため、転勤の可能性が高くなります。
住み慣れた土地を離れて、知り合いがいない街に引っ越さなくてはならない。
大企業の定めと言っても過言ではありません。
中小企業は全国に拠点を持っている会社も少なく、転勤のリスクは低いです。
転勤が嫌で大企業から中小企業に転職する人もいるくらいですから、転勤が少ないことはプラスに働きます。
中小企業で働くデメリット
- 教育が行き届いていない
- 人間関係が悪化すると改善が難しい
- 福利厚生が充実していない
- ワンマン社長だとモチベーションが上がらない
- 同期や近い世代との交流が少ない
最後に、中小企業のデメリットの詳細を解説します。
教育が行き届いていない
大企業では新人に限らず、中途採用者のフォロー研修や、配属された職場でのメンター制度によって丁寧な指導や教育を受けることができます。
しかし中小企業の教育環境は充実していないことが多く、新人であっても名刺交換の仕方や電話対応も自分で覚える必要があります。
また中途採用の受け入れに慣れていない会社も多いため、ほったらかしにされるケースもあるようです。
人間関係が悪化すると改善が難しい
中小企業での人間問題は、悪化すると死活問題です。
大企業のように定期的なジョブローテーションがなく、オフィスも会社全体が見える規模なので、苦手な人がいても無視できません。
社長や役員との関係が気まずくなると、退職を促されたりするケースもあります。
福利厚生が充実していない
中小企業から大企業へ転職した人は、福利厚生の充実度に驚くことが多いようです。
社食がタダだったり、リゾートホテルが割安で予約できたりして、働きやすい環境が整っています。
退職金ひとつ取っても、中小企業は社長の一存で決まるため、退職金がでない、でたとしても少額ということは珍しくありません。
ワンマン社長だとモチベーションが上がらない
中小企業の中には、必ずと言っていいほどワンマン経営の会社があります。
中小企業の社長は一代で会社を築いている人も多いため自己評価が高く、周りの意見を聞かないのでワンマン経営になってしまうのです。
もちろん、中には素晴らしい経営者もいるでしょう。
しかし会社を自分の所有物として扱い、知人から無理な仕事を受けてきて、部下に丸投げするといった社長がいるのも事実です。
同期や近い世代との交流が少ない
多くの大企業では、毎年のように新卒採用をしています。
一方で中小企業では、「誰かが辞めたら雇う」というような、採用が不定期な会社がほとんどです。
そうなると、大企業のように同期と切磋琢磨したり、年齢が近い先輩や後輩と交流したりという機会も少なくなってしまいます。
中小企業出身者が大手企業に転職する前に知っておくべきこと
大手企業と中小企業を比較しましたが、やはり大企業思考の方は特定数います。
大企業へ転職する前に、4つの注意点を把握しておきましょう。
知名度を理由とした転職は避ける
大企業のネームバリューは魅力的です。
合コンでも人気者になれますし、大企業に入社した息子や娘を、親は誇りに思うでしょう。
しかし知名度が高いというだけで転職してしまうと、痛い目に合うかもしれません。
また大企業に入れば、規模の大きな仕事ができると思っているのも危険です。
仕事は続ければ続けるほどスキルや知識が身につくかというと、実はそうでもありません。
仕事の流れや内容を把握できたら、それを繰り返すだけの会社もたくさんあるからです。
とくに大企業はその傾向が強く、出世しない限り毎日同じ仕事にしか携われないということがあります。
入社後の競争が激しく脱落者も多い
大企業には優秀な人が集まっているので、出世争いも激しいです。
なかなか空かない課長職のポジションを、20代後半〜30代後半までの社員が狙っています。
出世争いに負けてしまうと年収も天井が見えてきて、脱落していく人が尽きません。
中堅層が少ない会社や毎月募集がある会社は注意
20代後半〜30代前半の中堅層がほとんどいない会社は、「ほとんどの新人が数年で辞めてしまう」という負の連鎖が起こっている可能性があります。
辞める理由はさまざまですが、教育体制が十分ではないことが関係しています。
また頻繁に求人を出している会社も、離職率が高い会社であることは間違いありませんので避けた方がいいでしょう。
せっかく入社しても早期退職していては、履歴書を汚してしまうだけです。
未経験可なのに高収入アピールの会社は注意
入社条件が低いのに高収入という会社は疑ってかかりましょう。
そもそも「給与を売りにする」という時点で、「高収入以外に魅力がない会社」と言っているようなものです。
仕事がつまらない、ノルマが厳しいなど、何かしらの原因があるので注意して下さい。
大手企業に向いている人の特徴
大企業に向いている人を、「大企業で活躍できる人」という意味に解釈して解説していきます。
散々先述しましたが、大企業の仕事規模は大きく、どうしても会社の歯車になった気持ちを持ちながら仕事をすることになります。
しかし自分の仕事の意義を理解して業務の全体像が見られる人は、歯車にならず自分の居場所を見つけられます。
ドラマの半沢直樹のようなタイプをイメージするといいかもしれません。
その一方で、「上司に逆らわない受け身の社員」も大企業に向いています。
活躍はできないかもしれませんが、会社の方針にいちいち逆らうよりも、「何となく仕事して、そこそこの成果を出す」というタイプも渡り歩いていけます。
大手企業の転職を成功させるポイント
いよいよ最後になったので、中小企業から大企業へ転職するためのポイントを解説したいと思います。
募集要項を確認して求められている人材を把握する
- 大企業に入るにはどんなスキルを磨いたらいいのか
- どんな人材を求めているのか
- どのような経験が重宝されるのか
この問いの答えは、求人情報の「募集要項」にあります。
自分が行きたい大企業の求人を見て、どんなスキルや経験を求めているのか見極めましょう。
高い専門性を身につける
従業員が10名以下の小規模な会社の社員であっても、高い専門性があれば大企業へ転職することが可能です。
そこで大切になるのが入社するタイミングで、企業が求めていることを早々にキャッチし応募する必要があります。
「自分には専門性がない」
「色んな資格は持っているが得意分野が分からない」
という人は意外と多いです。
まずは自分の専門性を棚卸してみて、突き進めていきたい分野を絞ってみてはいかがでしょうか?
「この分野ならどこまででも追求したい」というものを見つけ、会社を辞めても通用するような専門性を身につけましょう。
今の仕事に打ち込んで実績を上げる
大企業の中途採用は、新規事業の拡大や欠員の補充などで不定期に行われます。
そのタイミングですぐに応募できるよう、準備を万全に整えておくことが先決です。
まずは今の仕事で成果を出すことを考えましょう。
また面接でアピールのネタになるような仕事をして、転職に備えるのも成功を導く秘訣です。
転職エージェントに相談する
大手企業の採用は水面下で行われることが多く、一般的な求人サイトやハローワークでは情報をつかめません。
大企業は資金が潤沢なので、一つの採用にもお金を注ぎ込み、より優秀な人材を確保しようと転職サービスを利用することが多いのです。
キャリアコンサルタントは企業情報にも詳しく、求人票では分からない現場の声も握っています。
また採用担当者とのパイプもあるため、どんな人材を求めているか、いつ頃求人を出す予定かなどを知ることができます。
中小企業出身者であれば、自身のアピールポイントを整理しておくことが大切です。
コンサルタントに協力してもらい、採用されるような書類作りや面接対策を行い、転職を成功させましょう。